短編

□初めての手紙
2ページ/2ページ



今日円堂が俺の部屋に泣きながら走り込んで来た。
しゃくりあげながら、彼は一通の手紙を抱きしめていた。

それは事件から数えて、ようやく七年目に初めてあの奥さんから円堂宛てに届いた便りだった。


『ありがとう
あなたの優しい気持ちは とてもよくわかりました
だからどうぞ送金はやめて下さい
あなたの文字を見る度に
主人を思い出して辛いのです
あなたの気持ちはわかるけど
それよりどうかもう あなたご自身の人生を
もとに戻してあげて欲しい』

そう記されてあった。

手紙の中身はどうでもよかった。

それよりも償いきれるはずもない、あの人から返事が来たのが

ありがたくて
ありがたくて
ありがたくて
ありがたくて
ありがたくて

神様
って思わず俺は叫んでいた。
彼は
円堂は
許されたと思っていいのですか

来月も郵便局へ通うはずの
やさしい人を許してくれて
ありがとう


人間って哀しいね
だってみんなやさしい

それが傷つけあって
かばいあって


何だかもらい泣きの涙が
とまらなくて
とまらなくて
とまらなくて
とまらなくて


あぁ
円堂を許してくれて
ありがとう―――




あとがき
暗い話しですみません。
さだまさしさんの「償い」を題材とさせていただいてます。

授業でこの曲を聞いて
ゆうちゃん→円堂
被害者→冬っぺ
母親→久遠監督
の図式が浮かんでしまって……突発的に書きました。
個人的には風丸語りのつもりです。
なんかもうすみません!!!!!!

さだまさしさんの曲って素晴らしい曲ばかりですよね。
是非聴いて頂きたいです。

というより、これ著作権侵害とかになるのでしょうか?
もしそうならご連絡下さい。すぐ消しますから!!
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ