短編

□私の頭の中に、あの人の声が響く
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何処に連れていかれてる間周りを見たんです。

何の音もない、とっても静かな場所で、ここで抗争があったなんて信じられないくらいで。

でも目の前には銃を持った男達が向かい合って銃を撃つ動作をして、撃たれた奴は苦痛な顔しながら倒れていく動作をして。


あぁ、こいつら何やってるんだろうって思いません?

だってこんなにも静かなんですよ?

銃を撃った音なんてしないのに。

なのにドンドン人は倒れていくんです。

まるでアクション映画を無音で見てるみたいで、とても面白かったですよ。

あの後気づいたらボンゴレの基地にいて。

皆深刻な顔して俯いてて。
貴方の姿だけがなくて。

山本に聞いたんです。

「十代目はどこにいるんだ?」って。

そしたら何て言ったと思います?

「ツナは死んだんだ…」

そう言ったんですよ。

貴方が死ぬはずないのに。
泣きそうな顔して、そんな冗談言ったんですよ。

思わずぶん殴っちゃいましたよ。

冗談でもそんなコト言っちゃダメだってのに。

その後皆に止められちゃって、それ以上殴ってやれなかったですけど。


でも、山本が言ったコト、認めないとダメなんですかね?

だって、貴方はあの日から3日も経ったのに目を開けない。

目の前にいる貴方に触るとヒンヤリと冷たくて……

温もりを感じない……

この前まで
一緒に
笑って
怒って
泣いて
楽しんで
悲しんで……

元気に、優しく皆を包んでくれた貴方はもうこの世にはいないのですか?

貴方は今にも目を覚ましそうなのに。

フワリと起き上がって
ーーおはよう獄寺君ーー
って笑ってくれそうなのに。


俺は、貴方のいない世界で、どうやって生きていけばいいのですかーーーーーー


→あとがき
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