短編

□そんなの嬉し過ぎるよ
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昔むかし、ある所に夏目という、可愛らしい男の子がおりました。

夏目はいつも、レイコおばあちゃんに貰った赤いずきんを被っています。

なぜ赤いのかと言うと、レイコさんが、ずきんを作っている時に誤って赤いペンキを零してしまったからです。
レイコさんはウッカリ者ですね。
というか何故ペンキがあったのでしょう?

そんなこんなで元々淡い綺麗な色合いだったずきんは、赤く染まってしまったのですが、レイコさんはとても負けず嫌いだったので
「夏目には赤が似合うと思って……ほら、可愛い!」
と元は赤じゃなかった事を隠して夏目にずきんを被せてあげたのでした。

まぁ、実際とても似合っていたのですがね……

可愛いと褒めてもらった夏目君。
嬉しくていつも大切にずきんを身につけています。

すっごく優しい、イイ人のレイコさん。
でも負けず嫌いの性格から、いつも皆にキツく当たってしまいます。
何と言うんか、ツンデレさんなのです。
あ、でもデレは無いからツンツンになるのか?

ちょっとツンがキツすぎたレイコさん。
皆から嫌われ者にされてしまいました。

なので少し人里離れた森の中に、一人で住んでいました。

今日は久しぶりに夏目が来るということで、朝からとても楽しそうです。

いつも以上に綺麗に掃除して、イロイロ準備して待っています。
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