短編
□知ってますか実は彼…
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気がつくとツナの頭上には、クルクルと何かのビンが舞っている。
了平の「あっ…雲雀の……」と言う声をツナは聞いた。
尻もちをついているツナが避けるにはもう間に合わない。
獄寺がツナに手を伸ばす。了平も手を伸ばす。
その間にも、何かのビンは重力に従ってツナの頭に落ちようとしている。
二人の助けも間に合いそうにない。
ツナは衝撃に備えて目をつむる。
あんな硬そうなビンが当たったら血みどろ……なんて考える余裕はなかった。
ギュッと目に力を込めた瞬間
バキューン
と音が聞こえた。
「え?」
驚いてツナは頭上を見ると、粉々になったビンとそのビンに入っていたと思われる透明な液体が降り注ごうとしている。
中の液体がツナにかかる前に見えたのは銃を構えるリボーンの姿。
びんが割れたのはリボーンのおかげだと瞬時に理解した。
硬いビンが頭に当たるのよりはマシとは言え、重力に逆らう事なく中身の液体はツナへと綺麗に降り懸かった。
割れたビンの破片がコツンと地面に落ちる。
「十代目!!お怪我は!?」
「大丈夫か、沢田!!」
心配そうに守護者は聞く。
するとさっきまで俯いていたツナはニコニコ笑顔で顔を上げた。
そして、現在にいたるーーー。