短編

□知ってますか実は彼…
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ドンボンゴレ10代目
沢田綱吉。


彼は職業柄アルコールにはとても強い。
いつもは決して酔ったりなんかしない。


どんなに相手より多くお酒を飲んでも、どんなにアルコールの濃度が強かろうと、倒れたりなんかしなかった。


でも
本当はーーー。




「………」

誰もが何も言わない。
ただただジッと一人の人物を見つめる。
見つめられた人物はニコニコと、それはもう!!ニコニコと彼らに笑いかける。


今の状況を説明するには少し時間を遡るーーー。

ーーー
ーー
その日はいつもより忙しかった。
書類から会合から面会から、何から何まで仕事量が多かった。

だから彼もこう言い出したのだ。

「もうヤダ!!」

その声を聞き、同じ部屋にいた獄寺が彼を見る。
同じく部屋にいたリボーンは眉間にシワを寄せた。

「何なの、この仕事量!!もうヤダ疲れた。ボスなんか辞める!!!!」
「何言ってやがる。そんなの許されるわけねーだろ」
「リボーンのケチ!!せめて休ませてよ〜」
「それ言うの、今日で何回目だと思ってんだ?」
「38回目」

ここでリボーンはハァ、とため息をつく。
回数覚えてんなら、もっと集中して仕事しろ、と言いたかったがやめた。
何か諦めたように首を振る。

「………30分だけだからな」
「ホントに?リボーンってば優しい!!」

さっきまで頬を膨らませてぐずっていたのが嘘のように、満面の笑顔でガタリと椅子から立ち上がる。

「獄寺君も一緒でもいい?」
「好きにしろ」
「やったぁ!!獄寺君、気分転換に外行かない?」
「十代目が行く所なら何処までもお供しますよ」

目を輝かせて言う獄寺に「じゃあ決まりだね!!」と言ってツナは外へ行くため、扉へ駆け寄った。

元々扉は空いていたので、勢いのまま部屋から出ようとする。

すると、スッと横から人が通った。

「沢田!!実はさっき雲雀に…ってのわっ!?」
「うわっ!?」

そして綺麗に二人はぶつかった。
ドスンと尻もちをつく。

「極限何事だ!?」
「いてて…」

ぶつかったのは、笹川了平だった。
笹川は状況が読み込めず、周りをキョロキョロ。
ツナは笹川ほど体が丈夫ではないので痛みをこらえていた。

その時、獄寺の声が響き渡る。

「十代目、危ない!!!!」

と。
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