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□嵐学園生活〜仕返し〜
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○誘い
オレは前、多田が大野さんの腰を触っているのを見て、多田に、
「触んな。」
って睨みプラスで言ってしまったことがある。
それからは多田のことを完全無視。授業もないのでそんな関わりは無かったけど、会っても話し掛けられても無視し続けた。
だからか、多田はオレのことは嫌いみたい。
大野さんにセクハラするっていう事実を知る前は、オレによく話し掛けてきた。
が、無視するようになってからはお互い嫌い合ってしまって、ほとんど会話をしたことがない。
‥‥これはまずい。
プチ復讐を果たすためには、まず仲良くならなきゃいけない。
多田と仲良くなんて、身の毛もよだつけど、ここは我慢。
頑張れ、オレ!
オレは多田が他のクラスの授業の時、授業が終わって教室から出るのを狙った。
出てきて、廊下でひとりになったところを捕まえる。
チャイムが鳴った。
‥あ、きた!
「多田先生!」
「ん?」
多田は振り向き呼んだのがオレだと確認した瞬間、えっと驚くような目をした。
そりゃあそうか。オレから話し掛けるだなんて、こんなことがないかぎり一生ないから。
「ど、どーした?二宮」
「いや‥‥その。‥多田先生に数学教えて貰いたくって!」
「数学?」
「授業だけじゃわかりにくいんです‥」
「‥‥‥なら、佐藤先生に‥」
「多田先生がいいです!」
オレが強くそう言うと、最初は疑いの目だった多田も、徐々にそれがとれてく。
よし、もう一押しだ!
「‥‥ダメ‥ですか?」
上目遣いでそう聞けば、多田はふふっと笑ってオレの肩を叩いた。
「いや、大丈夫だ。放課後にでも勉強を教えよう。他にもいるのか?」
「オレひとりですけど‥」
「わかった。じゃあ明日からな」
多田はそう言うと、すごく笑顔で去って行った。
よし、会う口実はできたぞ!
意外と簡単だったな。
でもまだ警戒されてるいるだろう。それは仕方ない。徐々にそれは解かして行こう。
N「明日から多田と勉強会をするんです」
大野さんにそのことを話したら、驚かれた。
O「えっ!ニノ、多田先生嫌いじゃなかった?」
N「嫌いです。でも数学わかんないところ教えてくれるみたいで。放課後、頑張ってきますから!」
大野さんに笑顔を向けると、大野さんも笑顔になった。
オレは、このふにゃっとした笑顔が大好き。
O「そっか。頑張ってね」
N「んふふ、頑張りますよ」
大野さんのためにも、頑張りますよ!
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