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□喧嘩。
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【Oside】







「うっせぇバカ!!」


「バカって何だよ!!」




楽屋の中。
怒鳴り声が響いた。





相葉ちゃんが睨んだ先には、ツーンと針でも全身に付いてんのかってくらいピリピリしてるニノ。






そう、相葉ちゃんとニノが珍しく大喧嘩中です。









原因はわかんない。

けど、気付いたら二人で何か言いあってて、次第に声も大きくなって、いつの間にか罵り合いになっていた。







「あ、相葉ちゃん。落ち着けって!」



半分パニックになる翔ちゃんが相葉ちゃんの肩を抑えてて、



「どーしたんだよ!?」



冷静だけど困惑でいっぱいな顔の松潤も相葉ちゃん抑えてて。





「何したの?」



俺は流れでニノの前。ニノを庇う形に。





本当にどーしたんだ。
ニノがケンカって、相葉ちゃんが怒るって、どっちも珍しすぎて困惑パラダイス。



とりあえずニノをソファに座らせて、隣に俺も座る。




「ニノ‥‥どした?」



できるだけニノの気に障らないように気を付けながら、問い掛ける。

すると、ニノは険しい顔のまま相葉ちゃんを一瞥した後、フンと鼻を鳴らした。



その態度が気に食わなかった相葉ちゃんは、ちいさく「このッ‥」と呟いた。




あぁ!雰囲気悪っ!!!






「‥相葉ちゃん、何かした?」



相葉ちゃんには悪いけど、とりあえず相葉ちゃんが悪いことしたのか問いかけてみると、




「相葉さんが、うるさいんですよ」




不機嫌丸出しに悪態をつくように喋った。



うるさい?

それはいつものことじゃんか。





「俺なんか俺なんかって‥めんどくせぇこと言い続けるから」


「おまッ‥‥それは冗談だろ!?わかるでしょ!!」


「はぁ!?なら何だよ。リーダーとふたりで飲みに行ったーとかJに頭撫でてもらったーとか翔ちゃんとハグしちゃったーとか。それも冗談なわけ?」







‥‥え?俺ら?






「そーゆうのいちいち俺に言う必要あんのかよ」


「ただの報告だろ!!」


「報告なんかいらないですよ。」


「‥何だよ!!何、もしかして妬いてんの!!?」









‥‥あ。


相葉ちゃん、俺‥今それ禁句だと思う。



妬いてんの、と聞いた途端ニノの何かがキレた気がした。






「うっせぇバカ!!!悪いかよ!!!」





そう言って勢いよく立ち上がり、扉を開けて楽屋を出て行ってしまった。







‥‥あーあ。






「‥‥つまり、相葉さん」





翔ちゃんが相葉ちゃんを見る。

相葉ちゃんはニノがキレて出ていって、流石にヤバイと思ったんだろう。
心なしか顔が青い。





「あなたがニノに俺とハグしたとか、無神経にベラベラ喋ったんだね?」




‥うっ。

と明らかに図星のよう。




相葉ちゃん、だめだよ。
ニノあー見えて嫉妬深いんだから。






「‥だってさ、喋ってても『そーですか』とか『良かったですね』とか棒読みでさ」


「誰も好きなやつのそーゆう話聞いたって楽しくないでしょ」




松潤に突っ込まれて、何も言えなくなる相葉ちゃん。




今回は相葉ちゃんが悪い。

これが俺らの中で話し合った結果です。







「ほら、謝ってきな」


肩をポンと叩いて、優しく言う。

そしたらまるで拗ねた子供のように、小さく『‥うん』と言って楽屋を出て行った。






「‥‥ほんと、」


「お騒がせカップルだよな‥」



三人で笑う。




謝ってニノの機嫌がなおるかわかんないけど、

がんばれ、相葉ちゃん!!








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