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□優しくシテネ?
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「おーう、銀時ー」


とある昼時。
聞き慣れた愛しい声が
俺の名を呼んだ。


「あー?土方か」


「おう。遊びに来てやった」


おら。と言いながら
白い箱を渡される。

ケーキだ。
すぐに分かった俺は
心で喜びながら
憎たらしく返事をする。


「別に遊びに来て下さい。なんて
頼んでねーけど。」


「ああ?ほんと可愛くねーな。
なら、それ返せ。」


「あっ!!」


ひょいっとケーキの入った箱を
煙草を吐きながら没収された。


「いやいや…
嬉しいなぁー、土方くん。
待ってたんだよぉー、
早く逢いたかったの、銀さんはっ」


スリスリと土方にすりより
可愛く上目遣いをする。


「可愛くねーんだよ、アホ」


バチっとデコピンをされ
いて!っと額を押さえる俺を無視して
ズカズカと人の家に上がり込んで行った。


「いってぇ〜…っあ!
おい、土方ケーキ!」


先に入った土方を追いかけて
俺も中へと入った。


「ん?チャイナたちはどーした」


「あ?あぁ、神楽と新八は
さだはる連れてどっか行った。」


「そうか」


辺りを見回しながら
ソファーにドカっと座った。


「…もしかして、神楽たちの分まで
ケーキかってきた?」


「あ、あぁ」


「あぁ、そう!
なら、アイツらの分は
俺が美味しく頂くから
安心してよ、土方くぅん」


ニカっと極上の笑みを浮かべて
ケーキの入った箱を開けようとした瞬間
土方によって、それは阻止された。


「誰が、やるっつったよ」


「え?」


「可愛くねーテメェには
やんねーっつっただろ」


「えぇーっ!酷いよ土方くぅん。
愛しの銀さんに、そんなイジワルするなんてぇ」


「誰が愛しの銀さんだ」


「ケーキ食ーべーたーいー!
お願いっ、とーしろぉっ」


精一杯可愛こぶって
お願いしたが、無駄だった。


「だから、可愛くねーっつってんだろ」


眉間にシワを寄せて
煙草を吸う土方に
俺は目をウルウルさせて見つめた。


「…可愛くキスでもすりゃ
考えてやってもいいぞ?」


「はぁー??」








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