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□2011X'mas Eve(現代編…作者:たこすけ)
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「……ヒバリさん、ま、まわりに人が……」
           
 ますます真っ赤になって下を向く綱吉は人目に立つのもあるが、まだこういったコトになかなか慣れない。
           
           
ホントかわいい……。
           
           
 体を引き寄せて顎をつかみ上を向かせる。
           
 恭弥の傘がカサリと雪の上へ落ちた。
           
「傘が……」
           
 綱吉は落ちた傘に手を伸ばした。
           
「いいから……」
           
 こちらに向かせようとすると、綱吉は慌てたように紙袋を前に差し出した。
           
「あああの……!こ、これ、プレゼントです。さっきやっと出来上がって……!」
           
「……?」
           
 茹で蛸のように更に赤くなりながら、緑色のリボンのついた包みをぐいぐいと押し付けた。
           
「母さんに教えてもらいながら編んだんですけど……、やっぱりヘタで……」
           
 開けてみると黒の毛糸で編んだマフラーが出てきた。
 少しいびつだが綱吉にしては上出来だった。
           
「や、やっぱりみっともないですよね!
編み目もバラバラだし、途中ほどいて編み直したし……」
           
 涙目になりながら、今度は取り返そうとするが、恭弥はさっと首に巻いてしまった。
           
「ヒバリさん……!」
           
「あたたかい」
           
 恭弥は満足げに目を細めてマフラーをそっとなでる。
           
「新しいマフラー、買ってきます……」
           
「なに言ってるの、こっちがいい」
           
 あまり上手とは言えないマフラーを大事そうに自分の頬にあてる。
           
「すごく嬉しい、綱吉」
           
 再び抱き寄せ顔を寄せてくる。
           
「大切にするよ」
           
「ヒバリさん」
           
           
君もね……。
           
           
フワリと微笑む愛しい子。
           
           
happy merry christmas!
           
           
End
           
           
次ページは後書きです。
           
           
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