MAIND[小説]

□並盛幼稚園だより15(パラレル編…作者:たこすけ)
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【設定】

綱吉……4歳 つっくん

恭弥……5歳 きょーちゃ

奈々……綱吉の母

恭薫……恭弥の母 キャリアウーマン

並盛幼稚園の先生……ディーノ(新米)、ビアンキ

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



 並盛幼稚園では10月のお誕生日会に向けて、首飾り製作の真っ最中。
 首飾りにつけるメダルの台紙に、ちぎった折り紙や千代紙、ビーズ、スパンコールがぺたぺたと貼られている。
 それが終わると、今度はクラスごとに別れて、歌やお遊戯の練習に入る。
 誕生月の園児達は別室に集まり、お礼文を覚えた。

 10月生まれの園児は、3クラスで7人。
 ちゅうりっぷ組では、綱吉と萌花ちゃんのふたりだ。
 ビアンキ先生が年少組にあわせて、丁寧にゆっくりと教えた。

「ちゅうりっぷさん、ひまわりさん、さくらさん、とてもじょうずにできました。
どうもありがとうございます」

 綱吉は何度も間違えながらも、どうにかできるようになった。

 ビアンキ先生は、首飾りを誰にもらうかを決めておいてねと言った。
 綱吉は5月の誕生日会を思い出した。大好きな恭弥へ渡したことを……。



 帰りの幼稚園バスの中でのこと。
 綱吉と恭弥がいつもの通りふたり並んで座っている。

「きょーちゃ、あのね……」

「なあに?」

「お、おたんじょびかいのくびかざりだけど……」

「うん」

「きょーちゃから、もらいたいな……」

 えへへと、はずかしそうに笑う綱吉。
 恭弥もいつそれを言ってくれるのかと、実はずっと前から待っていた。
 もしかしたら、同じクラスの京子ちゃんや武君に頼んでしまったのではと、内心気が気でなかったからだ。

 少し赤くなって、いいよと返事をする。
 了解してもらった綱吉は、ぱああっと明るい顔に変わった。

「よかったぁ!!」

「うん、ぼくも つなよしにわたせるからうれしいよ」

「きょーちゃのおうたも、たのしみ」

「ちゃんときいててね。ぼくをみてなきゃダメだよ」

「うん!!きょーちゃをみてる!!」

 その会話を聞いていた新米教師のディーノ。

「ツーナ、首飾りを渡すのは、先生に頼んだっていいんだぜ?」

「せんせいは、およびでないよ」

 恭弥は、キッと睨んだ。
 同乗していたビアンキ先生も、これには呆れていた。

           
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