MAIND[小説]
□並盛幼稚園だより15(パラレル編…作者:たこすけ)
1ページ/5ページ
【設定】
綱吉……4歳 つっくん
恭弥……5歳 きょーちゃ
奈々……綱吉の母
恭薫……恭弥の母 キャリアウーマン
並盛幼稚園の先生……ディーノ(新米)、ビアンキ
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
並盛幼稚園では10月のお誕生日会に向けて、首飾り製作の真っ最中。
首飾りにつけるメダルの台紙に、ちぎった折り紙や千代紙、ビーズ、スパンコールがぺたぺたと貼られている。
それが終わると、今度はクラスごとに別れて、歌やお遊戯の練習に入る。
誕生月の園児達は別室に集まり、お礼文を覚えた。
10月生まれの園児は、3クラスで7人。
ちゅうりっぷ組では、綱吉と萌花ちゃんのふたりだ。
ビアンキ先生が年少組にあわせて、丁寧にゆっくりと教えた。
「ちゅうりっぷさん、ひまわりさん、さくらさん、とてもじょうずにできました。
どうもありがとうございます」
綱吉は何度も間違えながらも、どうにかできるようになった。
ビアンキ先生は、首飾りを誰にもらうかを決めておいてねと言った。
綱吉は5月の誕生日会を思い出した。大好きな恭弥へ渡したことを……。
帰りの幼稚園バスの中でのこと。
綱吉と恭弥がいつもの通りふたり並んで座っている。
「きょーちゃ、あのね……」
「なあに?」
「お、おたんじょびかいのくびかざりだけど……」
「うん」
「きょーちゃから、もらいたいな……」
えへへと、はずかしそうに笑う綱吉。
恭弥もいつそれを言ってくれるのかと、実はずっと前から待っていた。
もしかしたら、同じクラスの京子ちゃんや武君に頼んでしまったのではと、内心気が気でなかったからだ。
少し赤くなって、いいよと返事をする。
了解してもらった綱吉は、ぱああっと明るい顔に変わった。
「よかったぁ!!」
「うん、ぼくも つなよしにわたせるからうれしいよ」
「きょーちゃのおうたも、たのしみ」
「ちゃんときいててね。ぼくをみてなきゃダメだよ」
「うん!!きょーちゃをみてる!!」
その会話を聞いていた新米教師のディーノ。
「ツーナ、首飾りを渡すのは、先生に頼んだっていいんだぜ?」
「せんせいは、およびでないよ」
恭弥は、キッと睨んだ。
同乗していたビアンキ先生も、これには呆れていた。