MAIND[小説]
□星空の下で逢いましょう11(パラレル編…作者:たこすけ)
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【設定】
沢田 綱吉…秋篠大1年
雲雀 恭弥…会社経営23歳
沢田 家康…綱吉の兄。兄弟2人暮らし。
六道 骸……恭弥の会社の社員。恭弥とは腐れ縁。
六道 凪……骸の妹。高3。
※恭弥が見知らぬ女の子と食事をしているのを、偶然見かけた綱吉は……(TωT)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
六道の携帯が再び鳴る。
振動からにして、今度は妹からではない。
イヤな予感がするが、無視する訳にもいかない。
着信番号を見ると、ため息が出た。
「もしもし……」
『凪がさっきから、首を長くして待っているよ!!』
「はいはい、わかりました。今近くまで来ていますから」
六道は携帯をコートの中にしまい、向かいの店へと急いだ。
人気のイタリアンレストランで、混んでいる。
さっき携帯で文句を言った相手と妹が待つ席へと、案内された。
「兄さま、お仕事、お疲れ様です」
「凪、待たせましたね」
六道の妹、凪は東京の女子大を推薦で合格した。
その手続きや一人暮らしをするため、マンションの下調べに、今日上京してきたのだ。
兄としては一人暮らしをさせるより、自分のマンションに呼び寄せようと画策しているのだが。
「ずいぶん時間がかかったみたいだけれど……」
待っていたもうひとりは、恭弥だった。
「工房の親父さんが難癖つけてくるもんだから、遅くなっちゃいましたよ」
「職人堅気だからね」
六道はひとくちワインを飲んだ。まだまだグチを言うために。
「君はあの堅物とどう接しているんです?
行く前に、言いくるめる方法を聞いておくべきでした」
「失礼な、言いくるめてなんかいないよ。
ちょっとクセのある親父さんなのは、君も承知しているだろう?」
「頑固一徹……!!なんですから。苦手ですよ、ああいうタイプは」
「まあ、それでも腕は一級品だからね」
「もとはといえば、ディーノが得意先との契約をダブルブッキングしたあげく、当の本人は風邪で早引け」
味や香りを楽しむのではなく、これが飲まずにいられますかと、さらにワインをぐびと飲む。