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□カウントダウンまであとわずか(大人編…作者:たこすけ)
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201×年12月31日―――。
           
           
           
「ヒ、ヒドいよなぁ……、リボーンのやつ…!」
           
 シーンと静まり返る執務室内に、天下のボンゴレ10代目ともあろう者の嘆きともとれる独り言が響き渡る。
           
 高価なアンティーク調の置き時計の針は午後11時をとうにまわっていた。
 しかし、机の上には書類の山々……。
           
           
 ボスに就任して3年――。
 そろそろ貫禄もつく頃であろうが、綱吉にいたっては予想に反して、いつまでも中性的でかわいらしかった。
           
           
           
 話は2時間前にさかのぼる。
           
           
           
「極限に終わったぁ!」
           
 書類とディスクを机に投げ出し、了平はうつ伏せた。
 ボスに傾倒している、いや、しすぎている自称右腕・獄寺が
           
「芝生野郎が……、ためてねぇでさっさっと報告書を出しやがれ」
           
と、ぼやきつつも乱雑に置かれた書類をまとめた。
 2人の成り行きを見ていた山本が両手をあげながら例の口調でなだめる。
           
「まぁまぁ、笹川兄も今回はヴァリアーのルッス姐さんと組まされて、
散々な目に遭ったんだから、少し大目に見てやろーぜ?」
           
 眉間にシワを寄せながら、獄寺は手早く書類をファイルに入れた。
           
「それと報告書を出すことは別もんだ。
これからご覧になる10代目の身にもなってみやがれ」
           
 やっとの思いで報告書を仕上げ、机にうつ伏せていた自分の頭上で
くどくどと文句を並べ立てられたのだからたまらない。
 さすがに腹がたったのか、了平はムクリと起き上がった。
           
「んだとぉ?タコヘッド!
お前は奴らと組まされことないからわからんのだぁ!」
           
 ヴァリアーはひと癖もふた癖もある連中だ。
 特にルッスーリアは了平をいたく気に入っており、
仕事を終えてもくだらない理由をつけてなかなか彼を離さなかった。
           
「そーそー、オレもスクアーロと何回か仕事したけれど、常識人じゃやってけないのな」
           
 山本もスクアーロに気に入られている。
 しかし、こちらは師匠的立場からというもので前者の色恋とは全く違った。
           
「ったく、オレ達は10代目の守護者だぜ?ヴァリアーごときにビビってどーすんだ?
とにかくすぐにコレを10代目にお渡ししてくるぜ」
           
 獄寺はファイルとディスクを持ち部屋を出る。
           
「ああ、極限に頼んだぞ。沢田に宜しく伝えてくれ」
           
「なんとか間に合ってよかったっスね、笹川兄」
           
 慣れない事をして疲れたのか、反論する気力もなく笹川は獄寺に任せた。
           
           
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