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□ほんのひと駅物語2(パラレル編…作者:たこすけ)
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「本日は9:00から12:00まで野球部の練習試合のみとなっております。以上です」
           
           
 緊張した面持ちで風紀委員は委員長、雲雀恭弥の前で今日の予定を報告していた。
 日曜だが、野球部の練習試合とあって、彼らも通常通り学校へ来ている。
 もっとも恭弥は、休みだろうがなんだろうが、常に学校へ来ていた。
           
           
 委員長の返事があるまでお辞儀の姿勢は崩せない。
 お辞儀と言っても最敬礼できっちり45度に腰を曲げ、彼の言葉を待つ。
           
           
           
 部下にも自分自身にも厳しく、己の意志を貫き通す、最強孤高の人。
 いついかなる場合でも、この絶対君主についていくのだと副委員長の草壁をはじめ、他の委員達も誓った。
 だからこそ並盛中学からずっとついて来た。
 進学校の並盛中央高にも死に物狂いで勉強して、1人の脱落者なく、彼の後に続いてきたのである。
           
           
           
「わかった」
           
 ようやく返事をもらい、ホッと胸を撫で下ろす委員達。
           
           
           
 3月になりようやく暖かくなった。
           
 学年末テストもとうに終わり、生徒たちは試験休み中だ。しかし、教師は新年度を迎える準備で忙しい。
           
           
 恭弥は間もなく卒業を迎える。
 普通ならとっくに次の代に任せているはずなのだが、この委員会は特殊だった。
           
 彼が委員長に就任して3年間、不良集団を束ねてこの学校を牛耳り、支配者として君臨していた。
 もちろん恭弥が卒業する間際まで、彼がトップである事に変わりはない。
           
           
           
「試合の相手は並盛第二か」
           
 恭弥は野球部に関する資料に一通り目を通し、無造作に書類を机に置いた。
           
 応接室には彼以外、誰もいない。
 他の委員はこれから来校する相手校の部員や生徒の点検、校内巡回へとひとり残らず持ち場へ出ていった。
           
           
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