一日君のお家
――集の王道小説(タイトル未定)――

 1
「転校してきた花崎 綾音(はなさき あやね)です。よろしくお願いします!」
 花崎 綾音は教壇に立って、普段にはない明るく元気な声で一礼した。顔を上げ、これからクラスメイトとなる生徒らの視線を一つ一つ受け止めていく。
 生徒らの反応はどれも小さなものだった。けれど、花崎 綾音を見る生徒らの瞳は、一様に輝いている。
 これが超名門高校なりの歓迎なのかな……。花崎 綾音は不安を表には出さないが、内心では不安を感じていた。
 向けられる純白の制服が眩しく感じる。緊張する。私はこの環境に慣れないといけないのか。三ヶ月前までの学校生活とはまるで違う。本当に、大丈夫だろうか……。




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最終更新日 2011/09/11




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