Short
□別れと目覚め
2ページ/7ページ
「待てッッ・・・・!!」
後ろを振り返るとそこにはウォーレンの姿があった。
しかし、様子はグレイの部屋を出て行ったときと全く違っていて
全身ボロボロで立つことも難しいほど怪我をしていた。
それでも男は声を絞り出す。
必死になって声を出す。
「グレ、イ・・・は僕のものだ・・・
グレイは渡さない・・・!!ここにいるべきなんだッッ!!
オマエになんか渡さないッッッ・・・!!」
ウォーレンは隠しポケットから小型の銃を出し、ナツに向けた。
「死ねェェェエエェェェ!!!!」
「ナツーーーーッ!!!」
パアン・・・・
ウォーレンが目を開く。
しかし、ナツは倒れない。そのかわりグレイが倒れた。
ナツは撃たれなかった。
撃たれたのは・・・・グレイ
ウォーレンが銃を向けた瞬間、グレイはウォーレンがナツを撃つよりほんの数秒早く
ナツをかばったのだ。
「あ・・・ああ・・・
ぼ、僕がグレイを・・・・・
うあああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!」
「グレイッ・・・・・!!」
塔の中には二人の悲痛な叫びがこだまするだけだった・・・。