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□襲撃者
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「んだよ、これ・・・!?」

床にはバラバラに散らばった本。
シーツの破れているベッド。
そして・・・血の痕跡

そこにあったのは戦闘をした痕だけでグレイの姿はどこにも見えなかった。
ナツは部屋の中に足を踏み入れる。
少し進むとパキ・・・という氷の割れる音がした。

「氷・・・てことはグレイ・・・!!」

「誰かがグレイを襲いに来たってこと・・・?」

「くそっ・・誰がこんなッ・・・!!」

「とりあえず、ギルドのみんなや町の人に聞いてみよう?」

(グレイ・・・!!)








  **********

「ん・・・ここは・・・?」
グレイはまだ少し眠たい目をがんばって起こす。
周りは薄暗くて見えにくかったが徐々に目が暗闇に慣れ、視界が開け始める。
そこはどこか洞窟のような感じで、ところどころ雫が地面に落ちる音がした。
人の気配もまったくしないし、何の物音も聞こえない。
なんとも、不気味なところだった。

どこだよここ――――?

周りを詮索しようと体を動かそうと思ったが動かない。
手首付近を見ると、壁に手錠のようなものが打ち付けてあって動かないようだった。

クソ・・・誰だよ、んなことしてんのは!!

暗闇の中、誰が犯人とも分からない中、グレイは少し怖くなったがすぐに頭を振って気持ちを切り替える。

大丈夫、きっとナツのへんが何か異変に気づいてくれるはずッ・・・!!

まるで見えない何かに祈るようにグレイはギュッと目をつむった。
その時、コツッと足音が聞こえた。
その音に反応してグレイは顔を上げ、正面をじっと見つめる。

コツコツ・・・
そして足音がとまる。
逆光で顔は見えにくいが、背が高くて髪も腰くらいまであるヤツだった。

「グレイ・・・!!」
先に声を出したのは相手だった。
声から推測するに男のようだ。
外見は全然知らないのにグレイはその声に聞き覚えがあった。


「ウォーレン・・・?」


目の前に居たのはかつての友人だった。
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