Long

□3,ララバイ
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「おらぁ!酒がおせぇぞ!!」

酒場の中に男の声の怒号が響いた

「おい、そうカッカすんな」

「これがカッカせずにいられるかよ!」

エルザは声のする方へ目を向けた

「せっかく、ララバイの隠し場所を見つけたのにあの封印だ!手も足もでねぇ」

「声がでけぇよ!」

「(4人か・・・・)」

エルザが視線を向けた先には4人の男達がテーブルを囲っていた

「焦ることないよ、後は僕がやるから皆はギルドに戻っていて」

髪の毛を高く結んだ男が立ち上がった

「カゲちゃん?」

「1人で大丈夫か?」

カゲと呼ばれた男は薄く微笑んだ

「エリゴールさんに伝えといて必ず3日以内にララバイを持って帰るって」









「ララバイって子守唄って意味よね?」

終始黙って聞いていたルーシィが言った
エルザはこくんと頷いた

「封印されているという事は強力な魔法だと考えられる」

「そいつらもアイゼンバルドなのか?」

「そうだ、迂闊にもその時は思い出さなかったんだ」

エルザは真剣な面持ちで言った

「エリゴールと言う名もな・・・闇ギルドアイゼンバルドのエース
暗殺系の依頼ばかりを引き受ける
 ついたあだ名は『死神エリゴール』」

「暗殺!?」

ルーシィは驚いた声を上げた

「本来は評議会によって暗殺の依頼は禁止されているのだが、
 アイゼンバルトは金を選んだ。結果6年前に魔導士ギルドを追放
 しかし、彼らは命令を聞かず暗殺を続行」

ルーシィは冷や汗をかいた

「わ、私帰ろうかなぁ・・・・・・・(泣)」

「汁いっぱい出てるよ」

「汗よ〜!!」

「迂闊だった・・・あの時エリゴールの名に気づいていれば
 全員血祭りにあげて何をするか白状させたものを・・・・・!!」

エルザの拳に力が篭もった

「こわっ!!」

ルーシィは背筋が凍った

「なるほどな、アイゼンバルドはそのララバイで何かするつもりって事か
 どうせろくでもねぇ事だからくい止めてぇと」

今まで黙って聞いていたグレイが言った

「そうだ、ギルド一つ相手にするとなると私一人では心細いだからお前達に力を借りた」

エルザは二人(と一匹)を見た

「アイゼンバルドに乗り込むぞ!」

「おもしろそうだな」

「ぁい!」

ハッピーもグレイも乗り気の中

「来るんじゃなかった・・・・(泣)」

「ルーシィ汁」

「汗よ〜(泣)」

そんな会話が繰り返された
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