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□牢屋の中の姫君
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ドォォォォォン!!!

壁の壊れる音と、瓦礫の崩れ落ちる音・・・
その二つは大きな音を作り、部屋の中にこだました。
その音から何か察したのかグレイは必死に「ナツ!!」と叫び続けた。

そしてまた、彼の隣で寝ていた男も目を覚ます。

「ん、これはなんの音だ・・・?」

上着をはおり、ウォーレンは優しくグレイの頭を撫でた。

「安心して、グレイ。君は僕が護るから・・・」

「てめぇ・・・!!ナツを殺したらただじゃ済まねぇからなッッ!!」

グレイの言葉に「ナツ」という単語がでてきて、少し驚くがその後、ウォーレンは笑った。
それはまるで無邪気に笑う子供のように、楽しそうに・・・

ウォーレンは引き出しから手錠を出すと、手早くグレイの手につける。

「てめっ・・・!?何すんだ!!」

「グレイが逃げないようにね・・・まぁそんなことはないと思うけど
 その手錠には特殊な魔法が掛かっていてね
 その手錠をつけている間は魔法が使えないんだ
 しばらく我慢しててね?」

そう一言残し、ウォーレンは壁の向こう側へと消えてしまった
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