novel 1
□絡みつくのは愛の無い快楽
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兄と再会したのはつい最近
3年ぶりだった
脚の悪い俺の面倒をいつも見てくれていた兄
大好きだった兄
憧れていた兄
ずっと探し続けていた兄
でも
兄は俺の事なんて大嫌いで
どうでも良くて
それだけではなく恨みさえ持っていて
一緒に過ごしていた
あの楽しかった時間は全てが
演技で 芝居で 偽りで 大嘘で 仮面で
兄は俺の事をただずっと殺したいと思っていた
それでも
『今までずっと嫌っていたお前をいきなり好きになんかなれるわけがないでしょ?』
兄は再会時に俺にチャンスを与えた
『俺に好かれたいならチャンスをあげるよ』
兄に好かれる為に支払った代償
それは俺の身体だった