夜に咲く白ゆり
□愛してるから、助けたい
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「雪夜!待つんだっ!」
木々の生え並ぶ静まり切った樹海の中、俺は混乱を隠せないまま逃げる彼女を追う。
どうしたっていうんだ雪夜…。
あの男達は一体何なんだい!?
君が作り物って…どうゆう意味!?
疑問符ばかりが熱のせいで頭痛におそわれる俺の頭を駆け巡る…。
やっとの思いで雪夜に追いついた俺は雪夜の腕を掴み、茂みの中に飛び込んだ。
「!?きゃっ」
「静かに!」
奴らの足音が近い。
雪夜を強く抱き締め、必死に息を殺す。
「旦那様!奴らがいません!」
「くそっ!一体何処に隠れたんだ…?」
「確かにこちらに逃げて行ったハズなんですが…」
「まだ遠くには行ってない!探せっ!!」
「「はっ!」」
足音が遠のいて行く。
……行ったのか?