黒嶋学園高等部
□駄目犬×子犬
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その後、いろいろあったのだが、付き合うことになったのは夏休み前。
その時は嬉しくて、嬉しすぎて翌日、熱が出た。
「……で、また熱が出たのか?瑞希」
浩一は長椅子にぼおっと座る僕に声をかけた。
ふわふわする頭でかんがえる。
「…今日、転校生が、隣の席に、きて。なんか、いっぱい、話かけて、来て。……疲れた、だ…け」
カクン、カクンとうとうとし始めた僕を浩一が抱き上げた。
「もう寝ろ、瑞希」
耳下で囁かれたのを最後に、僕の記憶は途切れた。
***
腕の中ですやすやと寝息をたて始めた愛しい子を、ベッドに運ぶ。
「…ん……」
寝苦しそうに首もとを触るので、ネクタイを取ってボタンをひとつ外す。
細い首に指が触れて、ドキリとする。
はだけたシャツからは綺麗な白い肌と色っぽい鎖骨。
たまらず、そこに口づける。
柔い肌の感触を楽しみ、鎖骨に痕を残す。
「……んぅ…」
微かに反応したのか声が漏れる。
「…こぉ…ぃ…ち」
かすれた声で名を呼ばれた。
寝言でそんな色っぽく名前を呼ぶなんて、どんな夢をみているのか。
夢の中の自分に嫉妬する。
「お前が悪いんだぞ、瑞希」
そうだ。
そんなに誘惑するお前が悪い。
そう思い、ボタンをもう一つ外そうとしたとき。
ガラッ。
と、ドアが開いた。