黒嶋学園高等部

□駄目犬×子犬
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とりあえず、カーテンあってよかった〜。

本当、今ほど感謝したことはない。

なんたって、瑞希を隠してくれるから。

カーテンで囲まれた瑞希のベッドは、うまく保健室の入口から死角になっていた。

瑞希の体を隠すように首元までしっかり布団をかけた後、ベッドの側を離れる。

保健室に来た客は見慣れない顔だった。
誰だっけかなぁ、と考えていると向こうから声をかけてきた。

「今日転校して来た熊谷です。書類の件で呼ばれたのですが…」

…あぁ、そうだった。

俺はその件でわざわざ職員室まで行ったのだ。

「そうだったな、悪い。この書類を書いて欲しいんだ」

言いながら机の上の書類を渡す。
ボールペンを渡し、適当な場所で書いてもらう。


……それにしても、コイツが例の転校生か。
瑞希に熱を出させるほど負担をかけるとは。



熊谷は書類を書きながら、ちらり、とカーテンの掛かるベッドを見る。

そして俺のほうをじっと見て、
「誰かいるんですか」
と聞いた。

俺は熊谷をにらみ返しながらかすかに笑い、
「誰かいたらいけないか?」
と返す。

熊谷の眉間に少し皺が入る。
熊谷は書類に目を落としながら
「さっき、瑞希が教室出ていったから、もしかしてそうかと思っただけですよ」

こ、コイツ!!
名前を呼び捨てていやがる!!

何て野郎だ!!



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