桜ノトキ

□〜序章〜
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そーっと

そーっと


抜き足差し足で廊下を歩く




"ギギッ"






『ヒッ』






肩を強張らせ

数十秒の混乱タイム


ゆっくりと後ろを見た

誰も居ない






『ほっ……』






またそーっと歩きだした

もうすぐで廊下の終わりだ






(よしっ)






密かにガッツポーズしたその時






「姫様。どちらへ」



『ぬひゃあぁあぁあぁあぁあぁ!』






いきなり現れた世話係のトメに驚き、口をパクパクさせたまま

しばしの思考停止タイム






「姫様」



『あ、あ、あ、あ、あ、あ…』






今しばらくのパニックタイム






ひめさま



『はいぃぃぃ!?』






何とか全てのタイムをクリア

正常になるまであと5秒






「どこへ行こうとなさったのですか?」




4、3、2、1…

開いていた口をパクんと閉じた






『なんじゃトメか

驚かすでないわ』



「質問に答えましょうか姫様」



『わらわがどこに行こうが勝手じゃろう

ついて来るでない』






そう言って背を向けると再び歩きだす


.
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