桜ノトキ
□〜第二章〜
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"ガシャン"
鍵が開き琉士と仙太郎が出てきた
「あーっ、せまっ苦しかったぜ」
琉士がけのびをしながら言う
「あーっ、琉士さんが出てこなけりゃ俺ぁ文句なんてなかったのになぁ…」
仙太郎も同じようにけのびをしながら言った
「…何か言ったか?仙太郎」
「いや、何も言ってやせんぜ」
気持ちよさげに体を伸ばす二人の肩に蒼助が手をおいた
琉士と仙太郎が振り返る
『…で、これからどうするかなんだが』
「逃げるか」
『それが1番の上策だ』
「でも…」
仙太郎につられるように琉士と蒼助も牢の中を見た
金持ちのような喋り方をする変な女と
死んだはずの光太郎と名乗る毒を盛られた子供
「女はともかく、このガキは気になりますねぃ」
「そうだなぁ…」
三人が困った顔を見合わせていると、ふと香澄が喋った
『わらわも連れて行ってはくれないか?』
「はぁ!?何言ってやがんでぃ!!
足手まといはすっこんでな!」
『仙太郎、少し言いすぎじゃ…』
蒼助が仙太郎に言うと、仙太郎は苛立たしげに蒼助を振り返った
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