桜ノトキ

□〜第一章〜
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「……で、何でこんな所に居るんだね仙太郎くん?」






琉士が頭に怒りマークをつけながら言った

今、三人は鉄格子の牢獄の中にまんまと閉じ込められている






「それは確か…」






仙太郎が数分前のことを振り返った






「香澄が俺を暴れて殴って気絶させたのを見た琉士さんが助けようとしたら侍がわらわらと出てきてどーたらこーたら…


って、ところですかぃ?」






大きなタンコブを頭につけた仙太郎が淡々と言うと

琉士の怒りマークはいよいよ大きくなった






「大正解満点花丸だ仙太郎くん」


『出すのじゃ!ここから出せ!』



「どうしてくれんだぁ?この状況をよぉ」


『誰かおらぬのか!!

わらわを出すのじゃ!』





"ガシャンガシャン"





「蒼助も居ねぇし」




"イライラ"




『早う出せ!

わらわが出せと言ったら出すのじゃ!!』





"ガシャンガシャン"





「何とかして出口を…」


『早う出さんか!』


「うるせぇぇぇぇい!」



「あーぁ、ついに噴火しちまった」






琉士はつかつかと香澄に近づいた






「お前な!!そんなんで出れたら苦労しねぇよ!!

ガシャンガシャンガシャンガシャンうるせぇっての!!!」



『じゃあ揺するのをやめればよいのじゃな?』



「そういう問題じゃねぇぇ!!」






香澄の胸倉をグッと掴んだ






「第一、わかってんのか!?

ここに容れられたのは元を辿ればお前のせいなんだぞ!!」



『なぜわらわが悪いのじゃ!

お前たちがノロノロしているのが悪いのであろう!!』



「ンダとゴルァ!!」






琉士が叫んだのとほぼ同時に幼い声が聞こえてきた






「その辺にしときなよ」



「!?」


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