AAA
□001
2ページ/7ページ
まだ夜が始まったばかりの暗闇
夜の街にはキラキラとネオンの光が輝いている
高くそびえるビルからも沢山の光が漏れる
その一つの最上階
そこから街を見下ろす女がいた。
その女を後ろから優しく抱きしめる黒髪の男。
『なに?』
「今回はどのくらいこの街にいるんだ?」
少し冷めた声で問いかけた女の問いに、ひどく優しく、腕に力を込めながら男が答える。
『そうね、あなたの依頼を片付けて、観光(情報収集)したら移動するわ。』
次に発した女の声は少し柔らかかった。
そして、ますます腕の力を強める男。
「じゃ、また暫く会えなくなるな...」
『ヤれなくなる?じゃないの』
「俺は体目的じゃないんだがな...」
『会うたびに求めてくるくせに。』
男は女を振り向かせ、唇を重ねる。
しかしすぐに離れる。
「満更でもないだろう?」
『自意識過剰?』
「はぁ...いいだろう?」
その言葉に女はキスで答え、そのまま二人は暗い部屋へと沈んでいった。
.