恋愛モラトリアム
□捨てられた、切ないペット
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なんの収穫もなく、
ハルキは自分の家に帰ってきた。
いつも方時も離さないケータイを見つめる。
茉莉の連絡をこんなにも心待ちにしている自分がいて、
ハルキ自身が一番驚いていた。
茉莉の着信履歴を指で追っていく。
それは、愛し合った愛の軌跡。
ここ数カ月、
おれ…、
おねえさんとしか、してないや。
茉莉とつきあいはじめた頃は毎晩で、
その後も週に2、3回は逢っていた。
ハルキにとって、
これほど密に会っていた女性はいままでいなかった。
こんなに逢って、
セックスしても、
茉莉に飽きることはなかった。