恋愛モラトリアム
□もう、恋なんかしたくない
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別れを目前にしたある夜のこと。
突然の嵐のように
ハルキは、全てを奪われた…。
その日、
ハルキはつものように、
茉莉に呼ばれて、
マンションに行った。
あのゴージャスなエントランスに
入ろうとしたら、
部屋で待っているはずの茉莉が
そこにいた。
艶やかなドレスに身を包み
キレイに着飾って、
エントランスホールに立っていた。
こんなに華のある美しい茉莉を
見るのは初めてだった。
それは、自分のためではない。
瞬間的に悟ったハルキは、
あわてて、柱の陰に身を隠した。