シチュエーションボイス台本

□真冬の天体観測
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<本編>

(車で山まで来た。
曇り空で星があまり見えず、車の中でしばらく待っている間に彼女は眠ってしまった。
空が晴れてきたので一緒に星を見ようと彼女を起こす)


ねえ、起きて?…ねえ、ねえ?あ、起きた♪
夜中の2時過ぎだもん。眠いよね〜。
でもね!さっきまで曇ってて全然星が見えなかったでしょ?
たけどね!ほら見て…今はすっきり晴れて星がよく見えるよ!
月もね、もう出てないから星を見るには良い条件なんだって!
今日はもうダメかと思ったけど、ここまで来てよかった♪
流れ星が一番見えるのもちょうど今の時間から朝方までみたいだから、一緒に見ない?
かなり寒いけど、風はそんなにないみたいだよ。
うん、それじゃ外は寒いからしっかり暖かくして見に行こ♪


(車内から外に出る)


うわー、やっぱり外はめちゃくちゃ寒いね〜…。
でも、俺さ、冬のこのキーンとした冷たい空気って結構好きなんだよね。
あ、分かってくれる?あんまり共感してくれる人いないから嬉しい♡
っと、大丈夫?何かにつまずいた?ほら、足元暗いから気を付けて。
手、貸して。君一人じゃケガしちゃいそうだから、僕がしっかり握っててあげる。
これで転びそうになっても大丈夫でしょ?もう、離さないからね〜♪


にしても寒い…。あ、ほら見て!夜景が綺麗だよ。
もう2時過ぎてるのに、街の灯りって結構あるもんなんだね。
でも山の上だからここまでは光は届かなくて…星空がほんとにすごいよ…。
こういうのを満点の星空って言うんだろうね。
あ、ほら!あれさ、あの雲の筋みたいなところ…天の川じゃないのかな?
わー…ほんとにすごい…。ん?うん、そうだよね。
こんなにたくさんの星も、天の川も生まれて初めて見たよ。
君も?街の中じゃ、いくら月が無くたって明るい星しか見えないもん。
これだけさ、宇宙には星があって、僕たちはその中の地球っていう星に生まれて…。
なんだかさっきまで悩んでた事なんてちっぽけな事だったんだなー、なんて思えてくるよ…。
それに、こんなに綺麗な景色を君と一緒に見られてすっごく嬉しい♡
あー、早く流れ星も見たいね!
あんなに暗い星までしっかり見えるんだから、きっと流れ星も綺麗に見えるんだろうね…。


(彼女が一つ目の流れ星を見つけて声を上げる)


…うわっ!びっくりした〜。急に大きな声出すから…。
え?今流れたよって、ほんとに?今、流れ星見たの?
えー!ずるいずるい!俺、見逃した…。あっちの山見てたわ…。
んー!!一つ目は絶対君と一緒に見たかったのに…。って、何笑ってんだよ!
え?俺が?かわいい…?ちょ、ばかにしてないですか?お嬢さん…。
よーし!じゃあ、今からどっちが流れ星たくさん見られるかの勝負しよ!
負けたら罰ゲームで、勝った方の言う事を何でも聞く!これでどう?
ね〜、面白いでしょ♪俺の方が絶対たくさん流れ星を見つけて、君にお願いするんだ♪
何をお願いするかって…、それは後からのお楽しみだよ♪
…さっき見たのはカウントに入るよねって?え、ダメダメ!
今からスタートなの!いい?じゃあ…スタート!


(彼女と一緒に夜空を見上げて流れ星を探す)


あ!一つ見えた〜♪
今のはめちゃくちゃ明るかったよ!ほんとに降ってきそうなくらいだった…。
そっかあ。君は見逃しちゃったか…残念。
確かね、一番多い時には1時間に30個以上流れるって言ってたから、きっとまたすぐに見られるよ。
あ!ほら、あっちの山の方!…あー…、今のも見逃しちゃった?
…そんな悲しい顔しないで?次はきっと見られるよ♪
…あっ!と思ったけどあれは飛行機か…。
うーん、流れな…あ!今見えたよ!あ、君も?やった!一緒に見られたね♪
…え?また見えた?そんな連続で?うわー、俺は見えんかったー。悔しい…。


…うー、寒い…。
もう見始めて1時間近く経ってる…。そろそろ勝負は終わりにしようか?
じゃあ、君は今までで何個見た?14個か…。
えへへ〜♪俺はね…16個!てことで、この勝負は俺の勝ちだね〜。
でも一番明るくて長い流れ星を見たのは私でしょって…まあ、確かにね。
さっき君が見たのは今日一だったね。
俺は消える寸前しか見てないけど、それでもすごかったもん。
…でも、数では俺の方が多いから俺の勝ちだよ!
さて…俺が勝ったから…俺の言う事聞いてもらうよ?覚悟はできてる?
えへへ…何にしようかな…。んー、よし、決めた!


(彼女に強く抱き着く)


あははっ!めちゃくちゃびっくりしてんじゃん。
急に思いっ切り抱き着いたから?うん、そうだよ〜♪
俺が勝ったから、もう朝日が昇るまでこのまま離さないよー♪苦しい?ダメー!
だってさ…だってね。君の体すごく冷たいんだよ…凍えきっちゃってる…。
手もこんなに冷たくなって…もう感覚ないんじゃない?
かわいいほっぺも…ん?くすぐったい?だってかわいいんだもん。でも冷たい…。
肩もね、小さく震えてる…。
大丈夫?一緒に流れ星見られてすっごく楽しかったけど、寒かったよね…。ごめんね。
謝らなくていい?そうなんだけどさ…君が風邪でも引いたら大変…。


あ、ほらくしゃみ。俺の手袋使って?いいから!ほんとに風邪ひいちゃうよ?
ほらほら、もっと俺にくっついて。俺の体温かいでしょ。寒くないのって?
いやいや、流石に真冬の夜中だから寒いよ…。しかもここ、山の頂上だからね(笑)
でも…、確かに今はちょっと暑いくらいかも…。
ん?いや、違うよ。君がくっついてるせいじゃないよ…。
あー、でも、結局そういうことかもな…。んふふ♪
え?勝手に納得しないで教えてって…いや〜…だってこれ…、うん、内緒!
え?ちょっとなんで離れちゃうのさ。わかった、わかったよ、教えるからこっちおいで?


いやね…、さっきまではすごく寒かったんだけど…、近くで見た君があまりにも可愛すぎて…。
なんか君を抱き寄せてる自分を客観的に想像したら急に恥ずかしくなっちゃってさ…(笑)。
ほんとに君はかわいいな〜って。こんなにかわいい君が俺の彼女でいいのかな…って。
…いいの?もちろん俺はずっと一緒に居たいって思ってるよ…。
じゃあ…これからも隣に居てくれる?ほんとに?
流れ星勝負で負けたから言う事何でも聞くよって…。
もう、なんでそんなにかわいいこと言うの?ほんとに恥ずかしいから!
でも、でもね。今日は一緒に星が見られて最高に楽しかったし嬉しかった!
星と君にたくさん癒されたよ♪これからも一緒に楽しい思い出たくさん作ろうね…♡
さあ、ほんとに体冷えちゃったし、山下りて温かい物でも飲みに行こう♪



☆完☆


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