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□仲良しこよし
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お世話を頼まれたものの…一体何をしたらいいのでしょう?
うー…ま、まずは話しかけてみるですっ!
「い、伊作先…輩…?」
「んー?」
一番目の前にいるちっちゃい伊作先輩に話しかけてみましたが、“じっ”と見上げて“こてん”と首をかしげるだけで、なんだか不満そうなのです。
「ぼく、しぇんぱいじゃない」
「へ?」
しぇんぱい?…先輩って言いたいのです?
「ぼく、ぜんぽーじいさくっ」
「えっと…い、いさく、くん?」
「うん!」
わっ!笑顔がまぶしいです!
伊作先輩って、ちっちゃい頃こんな可愛い子だったのですね。
“くいっ!くいっ!”
「ねー、おねーたんっ!」
「ん?あ、竹谷せ…は、八左ヱ門くん」
わたしの服を引っ張ってきたのは、ちっちゃい竹谷先輩です。
先輩は一番面影があって、今もこうして“にっ”て笑うんです。
「おねーたん、名前なんていうのー?」
「え?あ、記憶が…」
どうもさっきから思ってたのですが、先輩方は記憶が無くなってしまっているみたいなのです。
「桃です。雪下桃というのです」
「じゃ、桃おねーたんね!ぼくはハチって呼んで!」
「ハチくん、ですか?」
「うん!」
嬉しそうに笑う竹谷先輩は、今とちっとも変わってないです。
「あ、あの、あのねっ、ぼく、えっとぉ…!」
「えっと、雷蔵くん?」
「…っ、う、うんっ!」
さっきまで“うんうん”うなって悩んでいたのは、ちっちゃい不破先輩。
悩みぐせは変わってないみたいですが、すぐに天使の笑顔になるんです。
“ほわほわ”の笑顔、すっごく可愛いのです!
「らいぞっ!ぼくハチ!」
「ハ、ハチっ?」
「うん!あそぼっ!」
「う、うんっ!」
「いーれーてーっ!」
「「いーいーよーっ!」」
わぁっ!伊作先輩と竹谷先輩と不破先輩、さっそく仲良しになってるです。
3人とも、ほっぺ“ふくふく”ですっごく可愛いですぅ!
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