忍たま 長編
□頭は良いのよ…割りとね
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い組の2人を見送った桃は、は組の教室へ戻ってきた。
「あ、桃っ!」
桃が教室に入ると、は組全員が笑顔で出迎えた。
「おかえり」
「ただいまです」
「どうだった?おばちゃんのご飯は」
庄左ヱ門がたずねると、桃は目を細めて両手をほほに当てた。
「とーってもおいしかったです!それに、おばちゃんとも仲良くなれたのですよ」
「そっか!よかったね」
伊助は“にこっ”と笑い返した。
と、桃はふと、思い出したように“ぱっ”と顔を明るくさせた。
「仲良くなったと言えば、さっきお友達が増えたのです」
「友達?」
「はいです。たしか、い組の伝七くん、左吉くん…でしたっけ?」
「「「「えぇぇえっ!?」」」」
「「「「1年い組の伝七と左吉と友達になったぁあっ!?」」」」
桃が2人の名前を口にした途端、全員、目を丸くしてのけぞった。
「そ、そんなに驚くことですか?」
あまりの驚き具合に、桃もビックリしていると、団蔵が近付いてきて口を開いた。
「あいつら、すっごくプライドが高くてさ。いっつもは組のこと、バカにするんだぞ!?」
「でも、前髪直してあげても、全然平気だったですよ?」
「前髪直してあげたぁぁあっ!?」
さらに驚く団蔵たちに、桃は首をかしげた。
「桃って、すごいのかもしれない…」
こぼれた金吾の言葉に、誰もが強くうなずいていた。
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