銀
□さ く ら
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はらり、はらり
目の前を薄桃色の花びらが散る。
まるでそこだけ周りから切り取られたかのように鮮やかに散る。
「桜は人の血を吸っている」
凶悪的に美しく、人を魅了するものは、いつだって世界から逸脱しているもんだ。
そして人間は、それを媒体としてその異界をかいま見、憧れる。
ぱたり、ぱたり
沖田君が人形のような精巧な顔に微笑みを浮かべて近づいてくる。
その姿は
まさしく
世界から逸脱した
『さ く ら』
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