銀
□咎.2
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身体中にこびりついている血肉を拭き取る為に濡れタオルでも持って来ようと沖田さんを抱きしめていた腕を離す。
すると縋り付くように腕をとられた。
説得しようとしたが、暗く澱んだその眼と目が合うと、とてもそのようなことは出来なかった。
少し考え、俺を捕んでいない方の手をとり、「お風呂に行きましょう」と誘った。
『咎.2』
沖田さんが歩いた跡が廊下に赤い染みとなって残る。
誰もいない浴場で服の血も落としてしまおうと服のまま入ってもらう。
髪に固まってこびりついてしまった血は、鋏で切ってしまうことにした。
この頃少し伸び過ぎたくらいなので、切っても不格好になることはなく、むしろちょうどいい具合になった。