小説

□大久保さんの頭の中事情
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《薩摩藩*大久保利通》

「…で?小娘」
「はぁ

相変わらずの間抜け面で、廊下に立っていた、小娘に声をかける。

「そろそろ私の所へ来たいというのではないかと思ってな」

ふん。
私の所に居れば、安全なのは、一目瞭然。
悩む必要など、ないではないか。。。


〜ほゎんほゎんほゎ〜ん♪*大久保さんの頭の中…


《大久保さんの頭の中天使*龍馬くん…以下龍馬》
『いっいかんぜよいかんぜよこん子には、想う人がおるきに、横取りなんぞしたらいかんぜよ

《大久保さんの頭の中悪魔*晋作くん…以下晋作》
『なぁ〜に言ってんだ!好きな女ぐらい、かっさらちまえ!トシみっちゃん!!!』

龍馬『こら、そんな事を言うもんではないぞ

晋作『欲しいもんは、奪ってでも手に入れるもんだ!』

龍馬『なにをいうちゅうがか!好きな女子には優しくせないかん。好きな女子の幸せを願うんが、自分の幸せちゅんもんじゃ!なぁ利通さん!!』

晋作『はっくだらない。好きな女が他の男に抱かれるのを幸せなんて思えるか

龍馬『だっ抱かれる。。。それは、ちくと嫌じゃのぅ』
しょぼ〜ん

晋作『だぁぁあそんな可愛くしょぼ〜んとして見せて、俺様を落とし入れようったって、そうはいかないぞ

龍馬『いや、おまんの言う通りじゃ。好きな女子がそばに居てくれんのは、まっこと寂しいのぅ』

晋作『だぁぁあお前、天使のクセに、悪魔の言う事聞いて、どうすんだぁ

龍馬『いや、こうなれば、天使も悪魔もないぞ。皆で助け合わんといかんぜよ!!』
お目めキラキラ

晋作『だぁぁあとっ鳥肌たってきたぁぁぁあ
どぁぁぁぁぁあ



〜ほゎんほゎんほゎ〜ん♪



「せっ…せからしかぁぁぁあ〜人の頭の中に住み着きおってぇぇえゆこっちゅきかんと、うったくっどぉぉぉお

(※訳:うるさい・言うこと聞かないとぶん殴るぞ)

「おっ大久保さん?!」


は!!
しまった。
私とした事が。。。

頭の中の住人に、気をとられて、思わず大声をあげてしまった。。。


「まぁ、よい」
小娘は、これ以上のない間抜け面だ(笑)

こんな顔は、誰も見たことがあるまい。

「小娘!」
「はっはい」
「今の事、他言するなよ」
二人だけが知る時間を持つというのも、いいものだ!

「それから、他の奴の前で、そのように気を抜いてはならんぞ」

隙だらけでは、いつ何をされるかわからないではないか!


「は、はぁ。。。」


相変わらず、気のない返事だ。
小娘らしいと言えば、らしいが。。。


「ふん。今度来る時までに、荷物をまとめて置く事だな」


私は、まだ口をぽかんと開けている小娘に背を向けて、長州藩邸を後にした。。。


頭の中では、
相変わらず、問答が続いているようだが。。。

とりあえず、頭の中を切り替えねば。
また、醜態をさらさぬようにな。。。(笑)



end






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