薄桜鬼
□薄桜鬼 ssl
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「よぉ千鶴!」
『わっ…!』
一人で晴れた空を見上げながら登校していると、急に後ろから肩を叩かれた。
振り返ってみると、其処には幼馴染が笑って立っていた。
『平助くん!おはようっ』「おぅ!おはよ!!…て、アレ?薫は?」
『あ、薫はね、今日は委員会なんだって』
双子の兄の薫は風紀委員で、朝は私を起こして先に登校して行ったのだった。
平助くんは私の隣に来るとボソッと呟くような声で言った。
「あーまた薫のヤツ、あの黒い笑顔で校門に立ってんのかな…」
『う、うーん。。。』
私は平助くんのその言葉で薫を思い浮かべ、苦笑いをするしかなかった。
薫は普段優しい。だけど、時たま見せる黒い顔がすごく怖い。
小柄で華奢な容姿に黒い顔はアンバランスで、余計に怖さが倍増してしまう…。
薫のあの黒い顔が頭をよぎり、思わず身震いをしてしまった。
その話題は伏せて、平助くんと別の話をし始めた。
そんな時だった。
「千鶴ちゃん♪」
ある先輩のあの穏やかな声が聞こえた。