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□夜の行方
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いつものとおり、やけ酒が深まって、近藤さんはぐずぐずと泣きだしていた。深夜、近藤さんの自室。明日、近藤さんは非番だ。
「なあトシぃ、どうして俺じゃダメなんだろうなー。なんで俺いっつも振られるの?世の中の女はみんなイケメン以外受け付けないわけ?俺もう人生やめたい…」
「まあそう嘆くなよ。近藤さんは器のでかい、いい男だよ。俺が保証するって。そのうちあんたの良さをわかってくれる女が表れるよ」
俺のおざなりな慰めに、近藤さんは絡む。
「そのうちっていつだよ?何年何月何日ですかー?適当なこと言うんじゃねーよ」
俺にならいくらでも当たっていいと思っていやがる。そう思ったら不意に、鉄壁の自制心が崩れた。俺の我慢だって、限界はあるのだ。
「…ああもうわかったよ。今日は俺が相手してやる。あんたちょっと目をつぶってろ」
そう言って近藤さんの口をふさぐ。
驚き見開かれる近藤さんの目。
俺は容赦なく舌をねじ込み、近藤さんの咥内を蹂躙する。逃げる舌をつかまえ、ねっとり絡ませ、深く深く口付ける。
「…っ。はっ…。ちょ、お前何してんだよ」
一挙に酔いが醒めた顔で、近藤さんが慌てて口をぬぐう。
「だから俺が慰めてやるっつってんだよ。たまってるんだろ?そんなに脈のない女追っかけまわしてよ」
「…違うって!トシ、そんな風に思ってたのかよ」
「違くねぇだろ。…まあ任せてみろよ。きっちり天国連れてってやるからよ」
そう言って近藤さんを押し倒し、帯に手をかけた。
「ちょ、ちょ、待てって、おい」
言いながら、本気で抵抗はしていない。酔っているし、好奇心もあるのだろう。たまっているのは事実なのだ。