ポケスペ鬼倒回想録

□第二十四話 終焉の鐘が鳴る
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〜鈴の塔 ルシファーの異次元『煉獄』〜





















はぁぁあああああああ!!

私たちは順調に切り捨てて行った。

一体何体ものレプリカを切ったのだろう。

数が分からない。無我夢中で眼の前のレプリ
カを切る棄てて行ったから。

私が最後のレプリカを切り捨てるとあたりが
少し明るくなった。

しかしもうやることはない。

どうすれば光を取り戻すことが、この世界に
光を取り込むことができるのだろう。

『まだ………』

何かが足りないというのか………。

「白夜、どうかしたの?」

『倒せないからもどかしくて…………』

ブルーが笑った。

「大丈夫よ。きっと道はあるから」

「そうよ。大丈夫」

『青嵐さん、水晶さん………』

私はつられて笑った。

心なしか笑ったことで心が軽くなった気がす
る。

「………………」

「どうかしたのかい黒鉄」

「紅火さん」

「暗い顔して……」

「いや………白夜成長したなって………」

異血組はクリスを最後に能力を開花させてい
る。

その能力よりもホワイトは凄い能力を秘めて
いるというのか。

ホワイトって一体…………



何者?



残月の姫は凄いのか?

それとももともと血筋がそうなのか。

ブラックには分からないことだらけだった。

「くっくっくっく、本当に飽きさせない奴ら
じゃな。見物していて面白みがあった。とく
に………そうだな、髪を一つに結わえている
太刀使いの女か」

突如に暗闇に姿を現したルシファー。

しかし姿が巨大化しており見上げる形とな
る。

「なに……この人………っ」

ブルーが苦虫をつぶしたような顔をした。

「鬼の七賢人のひとり、ルシファーっス。さ
っきのレプリカの親っスよ。柳と同じ権力者
ってとこっス」

「そう………にしても大きいわね………」

『はい………』

どのような仕組みなんだこれは……。

魔術か?

魔術だったらクリスが気づいている。

じゃあこれは何?

「これで物足りぬとは………王も聞いてあき
れるのぉ」

さっきからぶつぶつ何かを呟いているルシフ
ァーがいきなり顔をあげた。

「私と戦いたければこの空間をどうにかして
みよ」

「そりゃ分かってらァ!うっせー野郎だぜ」

どうするかって?

こうすればいい。

『水晶さん幻影破りの術使えますか?』

「そんな高度な術、今この状況では………」
高度なんだ………。

よくわからない。

「なんだ、もう降参か?」

降参なんてしたくない。

鬼に降参するなんて異血組の名を穢す。

私やクリスが尊敬していた異血組を汚してし
まう。

『……………いるわよね、私の中に戦いたが
ってる心が』

(いるよ………。いつでも戦える。)

『あなたの力を貸してくれないかしら?私の
力じゃ不足なの。お願い、皆を助けるため
に』

(………助けるため?まだそんなきれいごと
を言ってるの?)

『いくらでも言いなさい』

(………分かった。力を貸そう)

私の影が立体的になった。

自分と同じ姿が目の前に立っている。

二人してルシファーをにらんだ。

『これが目覚めた能力 ジェミニ』

ジェミニとは表裏、自分の対なるものと力を
共有、呼び出すことができる。

人には必ず裏がある。

その裏を呼び出すことでじぶんの弱点を埋め
ることができるのだ。

しかし表がやさしさの塊だったら裏はその反
対ということになる。

危険と言えば危険だが、その能力者の力にも
よるらしい。

裏の名前は『黒陽(こくひ)』 




















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