ポケスペ鬼倒回想録

□第十五話 勝ち目のない戦い
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全面戦争が始まった。
ホワイトは何も出来ずにただ男の動きを監視している。



「そこです!」



「右です!」



「左から突きです!」



ホワイトの声に反応して皆が動いていく。
間違えたりでもしたら責任重大だ。



「くそっ、こざかしい真似を。誰が一体、指示を出しているんだ?」



柳の頭に角が生える。



「まがいもののくせに生意気な!」



「まがいものを作ってんのはそっちだろうがァァアアア!!」



ゴールドが飛びかかっていく。
それをいとも簡単に柳は薙ぎ払った。



ゴールドはクリスに支えられ起き上がる。



「ハァ…ハァ…、きりがねえ……」



「本当……、化け物ね」



「化け物で悪かったな。私たちにとって人間は『化け物』だ」



柳は太刀を横に振る。
ブルーが体をくねらせ何とか避けた。



「速く倒さないと、立場上不利になるのはこっちだ。体力勝負は絶対勝てない」



ルビーは散弾を近距離で撃つ。
もろに食らって柳は倒れた。



「よしっ!」



レッドがガッツポーズを取ったその時、柳がむっくりと起き上がった。



き……傷口が……ない……!?



ホワイトは驚きのあまり声を漏らしそうになった。
だって、散弾は当たったはずなのに服しか破れてない。
散弾は一発十弾発射される。
血が出ないなんてあり得ない。



「化け物め………。うちが許さないったい」



サファイアが前かがみになった。



「首が飛べばぽっくり行きますかね?」



「多分な。確信はないけど」



レッドは首を傾げた。



「どうせ狙うなら、首の横を狙え。動脈が破裂して首が狩りやすくなる」



シルバーの言うとおりにルビーは構えた。



「じゃあ、やってみます!」



ズドン!




弾が発射された。







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