ポケスペ鬼倒回想録

□第九話 戦友
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ドスッ


一瞬の出来事で、ホワイトには全く状況が読めていなかった。


他に皆もだと思う。


さっきの音は、男を槍に先端で突かれたものだった。



男は首筋にあるブラックの顔をしまったと言わんばかりの表情で見つめる。


「残念でした〜。誤算は勝ち負けを決めるよバーカ」


「くそっ!!」


重心を崩し、谷底に落ちて行った。



うわああああああああああああああああ!!



底から悲鳴が響く。


「ふー………」


一瞬一撃必殺。


ブルーはブラックに駆け寄って抱き締めた。


「よくやったわ!!」


「うわっ」


「腕を上げたな」


「グ、グリーンさん!?」


グリーンが頭をなでた。


そんな穏やかな雰囲気を壊すかのようにつめたい言葉が投げかけられる。


「あのな、なーにめでたしめでたしで終わりにしてるんスか?」


「ブルー姉さん!」


「グリーンさん…」


ゴールドが、クリスとシルバーを連れて正面に立った。


非常にまずい雰囲気。


それはホワイトがいる位置からでもよく見えた。


「僕もゴールドさん派で…」


「すまんちブルーさん、うちも…」


「そんな、あなたたちまで……」


今まで黙っていたサファイアルビーもゴールドたちにつく。


これじゃあ、年長組と年中小組に分かれたも同然だ。


ブラックがかろうじて一応ブルーさん側についたけど。


「どうしよう…」


一人輪に入っていないホワイトはレッドを見つめた。


イエローは放心状態。


仲間同士の喧嘩であの人たちはそれどころじゃないし…。


賭けてみるか。


ホワイトはレッドを揺さぶった。






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