ポケスペ鬼倒回想録
□第十六話 光の通り道
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冬が開け春が来た。
転機は快晴、心地よい風が鼻をくすぐる。
そんな明くる朝、もう一つの物語が始まろうとしていた。
「ホワイトさん、一緒に買い物に光覧の光の都まで行きませんか?」
「え?ちょ……光覧って」
クリスの発言に耳を疑った。
光覧の光の都と言うのは残月の月の都と同類、城がある大きな都市なのである。
都市と言えば人。
人が多く集う場所にわざわざ出向くと言うのか。
「大丈夫です。目と髪を染めればいいんですから」
「はあ………」
ちょっと不安だったけど目に薄い何かを入れ、髪を黒く染めた。
最初は違和感があったが時間がたつとそうでもなくなる。
「さ、行きましょうか。レッドさんには夜遅くなるかもしれないけど、日付が変わる前には帰ってくるって言っておきましたから大丈夫ですよ」
「はい」
そう言う事で昼牛の刻(午後一時)鬼羅山を出発した。
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