ポケスペ鬼倒回想録

□第九話 戦友
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「青嵐の姐さん!俺らはそんな話聞いてねぇぞ!」


呆然と立ち尽くす四つの影。


月光にゆらゆら揺らいでいる。


後ろで年中小者は固まっていた。


「どうって言われても……」


ホワイトとブラックは何だかマズそうな雰囲気の行く末を見据えるべく、じっと戦場を見つめた。


年長者と私たち、そして当本人しか知らない。いったいどうなっちゃうの?


ホワイトの心配をよそに、ゴールドはブルーに詰め寄った。


「何で隠してたんスか!?仲間だろ!?」


ゴールドにつかみかかられたブルーはともかく、グリーンまでもが俯いた。


「僕が悪いんです。鬼だから…」


皆の視線がイエローに注がれた。


「黄羅さん……!?」


クリスは一歩後ずさった。


「僕が隠してたから…」


イエローは茂みをかき分けた。


「本当にごめんなさい!!」


頭を下げた。


「さて、逃げた女鬼の子供が手に入った。お前らにはもう、興味はない」


「っ………!!」


ホワイトの心になぜか怒りが込み上げてきた。


今だったら勝てそうなぐらい。


「落ち着いて。ホワイトじゃ勝てないよ」


「でも!!」


このままじゃ黄羅さんが。


あせっているホワイトにブラックが座るように命じた。


「座って」


「そんな悠長には…」


「座って!!」


ブラックに怒鳴られて初めて自分の冷静さが欠けていることに気がついた。


仕方なく、落ち着かせるため座る。



「どうするの?」


「不意打ち」


疾風の如く、ブラックは風に乗り走りだした。
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