ポケスペ鬼倒回想録

□第八話 鬼と黄羅と私と
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「………イエローさんにそんな過去が」




ブラックは険しい表情をしながらつぶやいた。




「イエローをもう一度覚醒させないために、人との接触をさけないといけない」




レッドの言葉は一つの疑問を生む。




ホワイトもきづいていたし、ブラックもだ。



「なぜ、そんな危険な人を鬼狩りに?」





確かに見つかったら連れて行かれる可能性もないわけじゃない。




「ブラック、イエローの希望だ。鬼狩りは必要。人間と共存できなければ殺してもかまわないと」




(イエローさんも大変なんだ……)




ホワイトはため息をついた。





「イエローは必死に頑張っているのに。くそっ…………」





レッドは一人、自分の弱さに悔やみ続けていた。





そのせいか、足がどんどん加速していく。




「見えてきましたよレッドさん。あそこですよね?」





「この村と考えるのが妥当だろうな」





ブラックもレッドに続いて加速した。





村がもう少しの距離にある。




レッドは気持ちが高ぶっているのだろう。





距離ができてしまった。





「ちょ……待ってください!!」





ホワイトはなれない雪道を懸命に走る。




(グリーンさん、他人についていこうとしてすみませんでした)




雪道はもうこりごりだ。




「イエローさーん!返事してくださーい!」




ブラックの声が山に響く。





だが返事はなし。





「イエローっ!?」





レッドの目の先には何かに脅えるイエローの姿。





「いた?」





ブラックは分からないのか、ホワイトに聞いた。




ようやく私の視線の先にあるものに気付き、にやりと不敵な笑みを浮かべる。





「いたみたいだね」




そしてイエローのもとに駆けだした。




茂みを高く飛び越えイエロー前に立ち、かばうように左手を広げた。





「道中昼間から口説くとは、なかなかの根性と気合の持ち主だよ」





「ブラックさん!?」




背中から槍を下ろしかまえると、イエローと向き合っていた人物はにやり、と笑った。





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