ポケスペ鬼倒回想録

□第七話 嘘の果てに
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「う……」


光が開けた目に浸食してくる。


なんとか無事朝を迎えられたと感じるほどの寒さで、思わず身震いした。


そのせいで感覚がマヒして、死んでいるのか、はたまた生きているのかさえ分からない。


背後に気配を感じて恐る恐る振り返ると…………、


「……黄羅?」


「………」


無言でたたずんでいる黄羅がいた。



黄羅の美しい黄色い髪は、血でこびりついていて艶を失っている。


朝日に照らされて金色に光っている部分もあるが、ほとんど血によってそれが消えかけていた。


あたりに転がっている塊は、いったい何なのか。


気を失った後何が起こったのか。


この光景を見ると、嫌でも察することができた。



骨が剥き出しの屍、飛び散った血、引き裂か
れた皮膚。



俺はもう一度、目を閉じることができれば絶対に閉じたかった。



強烈な吐き気で目が眩んだ。



口が何か酸っぱくて苦いものを感じ、体が痙攣する。





「お……おまえが……」



        
「……認めます。僕、食りました」



口の周りについているどす黒い血を一舐めした。



「それに僕は、あなたに謝らなければなりません……………」



すみませんでした……、と一礼をして黄羅は言い放った。



「僕は、三つの嘘をあなたについた………」




「嘘……?」



俺は何が何だかわからなくて、黄羅の話に耳を傾けてみることにする。




「そう、嘘です。これから言うことは本当ですが、信じるか信じないかはあなたしだいですよ?」




「ああ」




俺は、話を聞きたくてすんなり即答を返す。




「一つ目、………、それは…」
















      「性です」














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