ポケスペ鬼倒回想録

□第二十六話 鍵となった少女
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〜「鬼羅山の行く末」〜























レッドの決断を聞いたとたんサファイアの顔が歪んだ。

「レッドさん……聞いてたとか?……ここは
帥虎の山ったい。私が決める!!」

「じゃあ君に皆をまとめる力と権力があるの
か?」

「それは………」

「三国相手にこの数じゃ無理がある。夜兎が
三人いてもだ。けが人や死人を出すのは好ま
しくない。この山に血は流したくない」

「だからってそんな!!」

「黙れッ!!発言権のないお前に何ができるっ
て言うんだ!!こっちは皆の命を預かってるん
だぞ!?人一人の長いのためにに22人命を捨て
ろって言えると思ってるのか!現実は違う!!
生きるか死ぬかの狭間に人間は生きている!!
お前の家族の亡骸にすがってられるほど命に
余裕がないんだよ!!」

『レッドさんさすがにそれは言い過ぎで
す!!』

行きすぎた……。

限度の境界線を軽く……越してしまっ
た……。

サファイアは泣きながら飛び出していた。

「サファイア!!」

「ブルーやめろ」

追いかけようとしたブルーを止める。

「今は一人にさせてあげて………」

せめて………考える時間をあげて……。

ブルーは静かに座りなおした。

「今の意見は間違ってないと思われます」

「プラチナ組長!!ふざけんなッ!!人の思いな
んだと思ってんだよ!!」

興奮したブラックを私は抑えた。

人が変わるほどの興奮なんて………殺す気
満々じゃない……。

危ない危ない……。

「この戦争、人だけだったら勝機はありま
す。人だけだったらの話です」

「鬼がいたら皆殺しだぞ俺達」

レオがキセルを加えた。

「確かにそうだね。でもさ、こういう方法も
ありじゃないかな?」

神威がニコッと笑った。

「10年ほど前の戦争思い出してみてよ。俺た
ちは裏切らないという契りをもとに陽影の味
方についたでしょ?あんなふうに念には念を
ということで裏に回るんだヨ」

「まわるって……今は全部敵だぜ?」

マサが地図を広げる。

「アリ?知ってるのかと思ってたや。なんで
俺はしてるのかな義賊金龍」

視線がゴールドに注がれる。

まさか………神威組長光覧潜伏中だった!?

「お……俺っスか?俺何もしてないっスよ」

「アハハハハ、誤魔化すの下手だね」

それは同感です。

「ねェ、鬼に家族を引き離された哀れで可哀
想な光覧の主上さん」

言いやがったコイツ!!

あたりがざわつき始める。

「主上って……あの………主上………?」

クリスが後ずさった。

「主上……?ゴールドが……あの憎たらしい
主上の…………一人…………?」

「……………まぁな俺はあんたの憎たらしい
主上の一人ですよー」

ついに暴露大会になってきた。

止めないと……。

「ゴールド、なんで黙っていた」

「レッド先輩か…顔怖いっスよ?」

胸倉つかみ上げた。

「なんで黙ってたんだよ!!お前のその情報が
あれば今回の件すべて収まるはずだったんだ
ぞ!!」

「へ………?」

「そんなに俺達信用ないのか。黄羅の件では
あんなにホラふいて、自分のことになると尻
すぼみかよ!!」

「ちがっ………ッ!!」

「どこが違うって言うんだ!!」

『うるさいよ、せっかくの会合が台無しじゃ
ない』

あれ………私何もしゃべってないですよ?

視線が針なみにいたいんですけど……。

まさか……黒陽!?






















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