上琴小説

□Stay With You
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ラ「貴様が噂に聞いた幻想殺しか。なるほど、私の術が効かない訳だ」
上「なっ…。どうして俺の名前を」
ラ「さあな」

直後、ラヴェルは背中に手を回して1メートル程の剣を取り出した。
その型式から見て中国式の物だ。

ラ「何はともあれ、貴様を討伐するのが私の目的だ。さぁ、さっさと死んでもらおうか!!!」
ラヴェルは大きく声を張り上げる。
剣の銀色が上条を睨みつけているようだった。
上「(冗談じゃねえぞ!)」上条は頭の中がこんがらがった。
登場があまりにも唐突だったこと。自分を狙う目的。そして何より、地面に何人もの人が倒れているような状況でバトルをしてしまったら…。
上「くそっ!」

直後、ラヴェルは剣を上から振り下ろした。
その残像をなぞるように光が生まれ、上条に向かって迫り来る。

上「くっ!!!」
上条はそれを右手で打ち砕いた。
ラ「ほぅ、実に便利な右手だな」
ラヴェルは余裕の表情を浮かべて上条を俯瞰する。
上「お前…何が目的だ」
ラ「まあ、知りたければ私を追い詰めることだ。もっとも、君が生きていられたらの話だがね」

途端、剣が振るわれ第2波が上条を襲う。

上「ちっ!面倒くせぇ!」
2度目の攻撃も右手防ぐ。ラヴェルは僅かに眉をひそめた。
幻想殺しを目の当たりにしての多少の驚きがうかがえる。
ラ「おいおい、思った以上に面倒な右手だな。近距離戦にもち込めという暗示なのか?」
上「ごちゃごちゃうるせえんだよ!訳わかんねえことになって、こっちは苛々してんだ!さっさと立ち去りやがれ!」
今度は上条自らラヴェルの方へ走る。
そのまま右手を強く握りしめて殴りかかった。
ラ「こりゃ今討伐すんのは手間がかかりそうだな」
上「うおおぉぉ!!!」
上条は。

ラ「策を練って後で出直そう。さすがに唐突すぎたようだ」

上「ぐあっ!!!」
上条はラヴェルの蹴り一発で後方に吹っ飛んだ。
ラ「動きに無駄が多い。殴るならせめて弱らせてからがいいだろう」
地面に倒れ込んだ上条に背を向けてラヴェルは歩き出す。

はずだったのだが。

ラ「待てよ?」
思いついたように足を止めて振り返った。
ラ「ありえないとは思うが忘れられては困るからな。少々痛めつけるとしよう」上「な…に」
すると、ラヴェルは剣をもう一度大きく振った。
光の弾道が空気を切り裂くように飛び出した。
上条は勢いよく飛び起きて身構える。

が。

上「どこねらって―――」
そこで彼は気が付いた。

剣から放たれた光線は“最初から自分に向けられたものではない”。

ラ「ふっ、お気の毒だが。少し眠ってもらおうか」
ラヴェルは含め笑いを止めない。

そして、その光線は地面に倒れている1人の少女に向けられていた。

上「み、さか…」

上条は必死に手を伸ばすが光線に追いつかない。


上「御坂あぁァァー!!!!」

魔術的な力をもった光線は美琴に直撃した。
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