上琴小説

□バレンタインデー
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〈1〉

白「そういえば…」
美・初・佐「そういえば…?」
白井黒子は深刻な顔で言う。
白「もうすぐバレンタインデーですわね」
「そんなことかいっ!」と美琴は突っ込んだ。
季節は冬。
4人はいつもの茶店の中で話をしていた。
美琴は目の前のミルクティを一口飲む。
美「深刻な顔して何言い出すのかと思ったわ」
佐「でも、バレンタインデーかぁ。今年はどんなのにしようかな〜。初春は彼氏とかにあげちゃったりするの?」
初「い、いませんよ!!彼氏なんて」
初春飾利は首を横に振る。佐天涙子のいじり様も相変わらずだった。
白「わたくしはお姉様にあんなモノやこんなモノを…うふふふ……」
ゴンッ。
と、美琴の拳がとんだ。
美「何もいらないわよ☆黒子」
黒「痛いですの〜…」
暖房の効いた店内で4人のいつものやりとりが続く。他にも冬服に身を包んだ学生がまったりと会話をしていた。

すると、初春が。

初「そういえば…御坂さんは好きな人とかいないんですか?」

美「はぅっ!!」
肩をビクンと震わせてミルクティーを思わず吹き出しそうになる美琴…。
白「どうました?」
美「い、いや別に…」
疑惑の目が美琴を直視し、耐えきれずに窓ガラスの外を見る。

美「(好きな人……か)」

佐「御坂さん好きな人いないんですか?いますよね?うーん気になる〜」

続いて佐天もテンション高めで質問を投げつけた。
美「って何言ってるのよ!いないわよそんなの」
初「では誰かにチョコあげるんですか?」
美「うぅ…」
美琴は佐天と初春に問い詰められているのと、白井の強烈な視線を感じているので固まってしまった。

美「(言えない…言いたくない…)」

白「お姉様〜?わたくしに何か隠し事でも〜?」
ベタベタした声で話しかけてくる。
美「う、うるさいわね!!」美琴は手前に置いてあった飲み物を勢いよく飲み干して席を立った。
美「私、先に帰るわよ!」白「え、ち、ちょっとお姉様〜」
美琴は速足で店を出る。
できることなら今だけ能力を交換してテレポートを使いたいほどだった。
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