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ー翳の回廊ー
見つけてしまいましたね…?
※注意書※
表に置けないダークな短文、または大人向けテイストな短文を衝動的に載せています。
暗い話や過激な表現が苦手な方、うっかり迷い込んでしまった貴方は速やかに宴の広間までお戻り下さい。
◆凶行
「くっ…う…っ…う、あぁっ…!!」
殺風景な床の上で、苦し気に息を吐く美しい人。
恋とは、もっと尊く美しい物だと思っていた。
それが、どうだ。
穢したくないと思っていたのに、その表情に、体に、限りなく欲情する我が身が浅ましい。
「ああ…綺麗です、政宗殿」
滴る汗で首に、額に張りつく髪。
怨みがましく睨みつけてくる、大きな左眼。
「幸…村…ぁっ!」
繋がっている体を揺すって遣れば、悔しそうに歪む唇。
堪らず吸い付けば思いきり舌を咬まれるが、今はその痛みさえ心地好い。
「んっ…ん、む…っ…」
熱い舌を擦り合わせ、上顎をなぞれば華奢な肩がぶるりと震えた。
「は…あっ…!」
名残惜しく唇を離すと、首筋を辿りながら柔らかな耳朶を食む。
「ひぁうっ…!」
軽く歯を立てた後、穴に舌を差し入れると、思いの外高い声が上がり締め付けがきつくなる。
「やっあ…!」
感じるように舌を蠢かせると、虐められた子供のように嫌々と首を振る。
ああ、何と愛らしいのだろう。
「此処が弱いのですね、政宗殿は」
少し意地悪く揶揄すれば、涙を滲ませた瞳で再び反抗を示す。
その表情が、また酷く情欲を煽るのだ。
「いけませんよ、政宗殿。そんな顔をされたら、ますます虐めたくなってしまいます」
「んっ…くっ…あぁっ…!!」
堪らず細い腰を掴んで楔を穿てば、決して苦痛だけではない嬌声が鼓膜を刺激する。
「厭…止めよ、幸村っ…!!」
ぼろぼろと零れる涙をそのままにしておくのが惜しくて、紅潮した頬を舐め上げる。
「政宗殿…もっと…もっと私に溺れて下さい」
「や…厭じゃっ…!!」
逃げ打つ腰を、何度も穿つ。
角度を変え、深く、浅く、鋭く。
獲物を追い詰め、仕留めるように。
「ああああっ…!!!」
汗と涙でぐしゃぐしゃになりながら、堕ちまいとする健気な気高さが愛おしい。
一方で、手に入らない苛立ちという感情が、心の何処かで燻っている。
欲しい…欲しい、欲しい。
「政宗殿…」
「あっ…あっ…ああっ…!!!」
どれだけ欲しても、手に入らない物ならば、いっそ壊れてしまえばいい。
僅かに残る罪悪感と、この美しい物をこの手で穢す暗い悦び。
充血して膨らんだ箇所を幾度も幾度も擦り上げ、狙いを定めて押し潰す。
度重なる刺激に狭まった内壁はひくひくと蠢き、本人の意思に反して彼の人の絶頂の近さを知らせる。
「政宗殿の中…苦しいぐらいに熱くて狭くて心地好いです。もう…そろそろ限界ですか?」
声を潜めて囁けば、可哀想な程に怯えた様子で、小さな体を引き吊らせる。
「厭じゃ、頼む幸村…止めてくれ…!」
涙ながらに訴える、その喉が震えていた。
「政宗殿、貴方はどうしてそう可愛らしいのでしょう」
「…っう……んっ…」
細い首に、そっと口づけ印を刻む。
彼の一挙一動が、いちいち愛しくて堪らない。
しかし、そんな気持ちが伝わらないのか、美しい瞳は恐怖と侮蔑の入り混じった感情を、この身に浴びせてくる。
それがどうにも心地好い。
この感情は、愉悦だ。
そうして、私は真実に気づく。
「ああ、そうか…私は疾うに狂っていたのですね」
認めてしまうと、何故か自然と笑みが零れた。
「ひっ…ああっ…!ああっ…!ぃや…っ…!」
鎖を千切った獣は、最早躊躇いという概念を持たない。
ただただ欲しい物を、無心で食らう本能のみで生きている。
「政宗殿、政宗殿、政宗殿…!」
「はっ…ふあっ…んっ…あああ…!!」
獲物の柔らかな肉に歯を立てるように、息を切らし、猛る自身をただひたすらに打ちつける。
「やじゃ…厭じゃ…ゃ…あっ…ああっ!!」
白い喉を反らせ、華奢な指が床の木目に爪を立てる。
ぎりぎりまで引き抜いて、一挙に最奥を突けば、彼の最後の矜持は哀れにも崩れ去った。
「は…あ……あっ…っあああーーっ!!」
悲鳴と共に迸る絶頂の証。
同時に彼の内壁に痛い程締め付けられ、熱い欲望の飛沫を彼の内に叩きつけた。
事切れたように弛緩する、肉付きの薄い艶めいた肢体。
それを腕に捕り籠めると、腹の底から沸き上がる、哄笑。
「ふ…ふふ……っははははは…!!」
ああ、私は修羅だ。
「可哀想に、貴方はもう逃げられない」
貴方も共に堕ちればいいー。
誰に聞かせるともない狂気の囁きは、しかしどこか懺悔のような哀切を孕んでいた。
2014/04/06(Sun) 21:41
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