ー翳の回廊ー

見つけてしまいましたね…?

※注意書※
表に置けないダークな短文、または大人向けテイストな短文を衝動的に載せています。
暗い話や過激な表現が苦手な方、うっかり迷い込んでしまった貴方は速やかに宴の広間までお戻り下さい。
◆藤ノ木倒し(小十政) 

「うぅ…っ…厭じゃ…誰かっ…誰か…っ!」

僅かにしか光の差さない牢の中、青年の悲鳴だけが虚しく響く。

申し訳程度に乱れ衣を身につけて悩乱する青年の肌は、抜けるように白い。

その手首には布が巻かれ、体の動きを制限されている。

「政宗様、遅くなって申し訳ございません」

汗にまみれた体を横たえる青年の背後から、不意に涼しげな男の声が聞こえた。

その声に青年は一瞬身を固くするが、やがて縋るような目を男に向けた。

「小十郎…」

「少々軍議が長引きまして。ああ、もうこのようなお話…貴方には無縁でしたね」

「小十郎…何故じゃ…?何故このような…!」

「貴方様を、お救いする為です」

かつての忠臣の姿をした鬼は、ぞっとする程優しい瞳で政宗に微笑んだ。


十六代当主政宗の采配によって、かつてない程伊達家は栄えた。

その平穏が何時までも続くと誰もが思った。

が…ある日それは破られた。

主要家臣団を取り込んだ政宗の右腕、片倉小十郎が突如反旗を翻したのだ。

念入りな根回しが功を奏し、無血のまま呆気なく謀叛は成功した。

小十郎は伊達の一族衆から代理を選び、まだ若い政宗を隠居の形で当主から引きずり下ろしたのだ。

「何故、貴様が儂を…今までの忠義は、自らの権勢を高める為であったのか…?」

唇を戦慄かせながら政宗が問えば、小十郎は可笑しそうに肩を揺らした。

「権勢?私が、そんなものの為に?」

「な、何が可笑しい!?」

「そうですね…きっと貴方には理解出来ないでしょう。いえ、分からなくても良いのです。さあ、汗もかかれた事でしょう、お召し替えをしましょうね?」

「いっ、厭じゃ!離せ!!」

「それとこちらにも、またお薬を塗り直しませんとね」

「やっ…触るでない!!」

帯を後ろから掴まれ政宗は暴れる。

が、あっさりと膝を入れられて、足を開かされてしまう。

「おや、まるで粗相でもしたみたいですね。膝の方まで濡れていますよ?」

小十郎は、政宗の下腹に手を入れると、その湿り具合を確かめた。

「うっ…うーっ!!」

立ち上がった部位を緩やかに触られ、政宗は体を震わせる。

「此方の方は如何です?」

それに構わず、小十郎は政宗の小振りな双丘に手を掛けると、内部に埋め込まれた楔を一気に引き抜いた。

「っ止めよ、痴れ者…!!うあ゛…ああぁーっ!!」

碁石程ある大きさの水晶の数珠が取り出されると、政宗は太腿を痙攣させたまま床に倒れ込んだ。

「腰が立たなくなる程お気に召して頂けているようで、何よりです」

「うっ……ぁ…ぅ…」

「ご安心下さい、直ぐに戻して差し上げますから」

「…ぅ…や…っ」

疲労で動く事の出来ない政宗は、慣れた手つきで薬壺を傾ける小十郎をただ絶望の思いで見上げる。

「では、力を抜いて下さいね」

「ひっ…厭あああぁ…!」

たっぷりと媚薬を塗り込んだ数珠をねじ込まれ、政宗は再び悦楽の闇に堕とされる。

「…ひっく…っ…小十郎…何故じゃ…何故儂をここまで貶める…!」

自制心を失い子供のように泣き出す政宗に、小十郎は愛しくて堪らない様子で口づけを落とす。

「…泣かないで下さい、可愛い私の藤次郎…。こうしていればもう、貴方は何も怖がる必要はないのですから」

「こ…じゅうろ…」

「貴方はもう王ではない。優しく繊細な貴方が手を汚し、罪に怯えて生きていく必要はないのですよ…」

政宗の声が届かぬかのように、小十郎は滔々と語りながら華奢な体を愛撫する。

「王とは、民の為の人柱…全ての民の奴隷です。同じ奴隷なら、こうして自由も思考も支配され、奪われて生きる方がずっと自由だ」

「っ何を……ぁっ!?厭…!」

「さあ藤次郎…乱れて下さい、もう何も考えられないぐらい」

「う…ぁ…!あああ゛ーーっ!!!?」

突如組み伏せられ、数珠の入ったままの後ろに小十郎が侵入する。

散々に蹂躙され鳴き疲れた政宗は、輝かしい王座と引き換えに隷属という自由を手に入れたのだった。

2013/05/17(Fri) 20:24

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