鬼小姑日記

伊達家中心短文。
特に鬼の傅役が幅をきかせている世界です。
◆伊達杉花争い 

小十郎:成実殿、場所取りご苦労様です。

成実:へっくしょん!!あー寒かった。

小十郎:しかし成実殿が昨晩から頑張って下さったお陰で、こうして一番良い席を確保する事が出来ました。

政宗:貴様にしては上出来じゃな。

成実:ふっ♪俺にかかればこんなモンだぜ!

政宗:さて、では早速花見を…ん?


ガヤガヤ))

兼続:御前、宴の席は此方です!!

綾御前:兼続。そんなに慌てなくとも花は逃げませんよ?


政宗:なっ…Σ何故兼続が此処に!!?

兼続:むっ?政宗、何故お前が此処にいるのだ!

政宗:それは儂の台詞じゃ!残念ながらこの場所は既に儂等伊達勢のものじゃ!貴様等は他を当たるのじゃな!!

兼続:何を言う、此処は既に我等上杉の物だろう!!

政宗:は?馬鹿め、この場所は昨晩からうちの成実が確保しておる筈!!

兼続:いいや、この場所は景勝様が我等家臣の為に昨夜から確保して下さっているのだ!!

政宗:馬鹿を申せ!我等が来た時から、他人の姿など何処にも…!!

兼続:ふ、甘いな政宗。あれを見ろ!

政宗:ん?…ハッΣあ、あれは!?

景勝:………じーっ。

政宗:なっ!あ、あんな広場のど真ん中に人が座っていたじゃと?!

小十郎:気配を全く感じさせませんでしたね。

成実:えっ、マジで?あんな直ぐ横にいたの?あれ微動だにしないから置物か何かだと思ってた。

政宗:成〜っ!!!=33

兼続:はっはっは、分かったら早く他の場所を探すのだな。でないと桜も散ってしまうぞ!

政宗:馬鹿め、場所を移るのは貴様等じゃ!!此処はこの山で一番日当たりが良いのじゃぞ!!貴様はあっちのジメジメした日陰で苔でもかじっておれ!

兼続:こ、苔だと?この山犬め!そんなにこの場所を使いたければ、お前は私の膝に座るが良い!!

政宗:フーッ=3お断りじゃ!!禿げろ!!

兼続:禿げない!!


景勝:………。

綾御前:いい加減に静まりなさい狼狽え者共+折角の桜が台無しです。

小十郎:そうです政宗様。ご覧下さい、場所は十分にございます。両家並んで宴を楽しめば良いではありませんか。

綾御前:それは良い考えです。

政宗:陰気な上杉と並んでの宴じゃと?それこそあり得ぬわ!!

小十郎:あ、そこ。筵はもう少し左に。茶釜はその辺りで良いです。お弁当の手配は迅速にお願い致します。

政宗:無視か!!=3

小十郎:良いではありませんか。それに此処に居れば、きっと桜以上に面白い物が見られますよ?

政宗:…?


兼続:さあ愛する上杉家諸君!!愛の込もった御前の料理を、腹一杯頂こうではないか!!

家臣一同:ざわっ…!!

兼続:?皆、どうしたのだ?

実頼:どうしたって…兄上、この弁当は料理人ではなく御前が作ったのですか。

兼続:ああ、御前のお心尽くしの品だぞ!!

実頼:でしょうね…一目で分かりました。このでろでろに煮崩れた芋、ひしゃげた魚、どろどろしてる上にどす黒いちまき、炭と化した煮豆に爆弾のような卵…。

兼続:何だ、食が進んでいないようだな与七。どれ、私が取り分けてやろう!

実頼:Σどうか勘弁して下さい!!泣


政宗:………;

孫市:うはっ、この煮物超美味ぇ…!!

綱元:この鰈の煮付け、絶品ですね。

成実:照り焼き最高〜!!v

わいわいわい…))

小十郎:流石は私の政宗様、美人な上にいつ嫁に出しても恥ずかしくない料理の腕前…しかし一生嫁には出さない!狙ってくる野郎全力駆逐!!!+
ふふふ、それに引き換えあの上杉勢の悲壮な表情…正に絶景ですねw

政宗:まるでこの世の終わりのような顔をしておるな。

上杉家臣:ショボーン…(´;ω;`)


孫市:モグモグ…ひじきと油揚げって、こんな美味ぇもんなのかよ…!?

綱元:豆御飯、おかわり下さい。

成実:ムシャムシャ…炙りトロ美味っ!あーあ、上杉かわいそっ♪

上杉家臣:ショボーン…(´;ω;`)ぐーきゅるる…


小十郎:艶やかな花と敵軍の絶望の表情は最高の調味料ですね+
ああ、今日も政宗様特製のフキ味噌が美味しい。

政宗:奴等とうとう何も食わずに酒と梅干しで空腹を紛らわせ始めたぞ…ちょっと気の毒になってきたのじゃ。

小十郎:謙信公の食が細かったのも、彼女の手料理に関係があるのかも知れませんね。モッシャ、モシャ))
ふふ♪それにしても、この蜆の佃煮…お酒が進みますv

綾御前:あら本当に美味しい。このだし巻きもお一つ頂けますか?

小十郎:どうぞ、今取り皿をお出し致します。

綾御前:ありがとう+

政宗:ひぃっ!?Σ何故普通に此処におる!?


実頼:あの、兄上。御前は何処に?

兼続:ああ。御前なら先ほど、ご自分の作った料理を一口食べた瞬間、何故だか急に真顔になられて…それ以降お姿が見えないな。

実頼:それって…(--;)


綱元:上杉の皆様、良かったらこちらのお弁当もどうぞ。政宗様がお花見でテンション上がって作り過ぎたものですから。

上杉家臣:良いんですか?!!! お、、美味しい…!!///

実頼:あ、私にも一つ下さい。

綾御前:まあ、こんなに沢山頂いて。では私の料理をお返しに差し上げてましょう+

政宗:ΣΣ何じゃこのどす黒ちまきは!!しかもどろどろ!何かの呪いか?!(●□○;))恐怖

その後、例のどろどろどす黒ちまきは宴席の罰ゲーム行きとなった。

そして唯一綾御前の料理を完食した兼続は、それから一月寝込むのだった…。

2014/04/06(Sun) 21:32

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