ー翳の回廊ー

見つけてしまいましたね…?

※注意書※
表に置けないダークな短文、または大人向けテイストな短文を衝動的に載せています。
暗い話や過激な表現が苦手な方、うっかり迷い込んでしまった貴方は速やかに宴の広間までお戻り下さい。
◆下拵え(左政) 

自分を見下ろす頬に傷のある男を、政宗は鋭い眼光で睨みつけた。

が、当の本人は涼しい顔で、相変わらずにやにやと笑みを浮かべている。

「漸くお目覚めですか、お姫様?」

「誰が姫じゃ気色の悪い!貴様には見覚えがあるぞ、三成の配下じゃな。名は確か…」

「島左近と申します、以後お見知り置きを」

「お見知り置きをじゃと…?ふざけるな!儂を斯様な場所へ閉じ込めおって!!」

「手荒な真似をした事には謝りますよ。しかし此方にも事情がありましてね」

「事情?」

「ええ。実は政宗殿には、うちの殿の妾になって頂きたいのです」

「は…?」

信じられない提案に、政宗は思わず言葉を失った。

そして直後に、ふつふつと怒りが沸き上がる。

「貴様…っ!この儂を愚弄しておるのか!?」

「とんでもない、純粋にお願いしているんですよ。我が殿はどうやら政宗殿に惚れているようでね。
最近益々口数も減って、見てられないんですよ。それで貴方には是非、殿の物になって頂きたいと」

「馬鹿を言え!」

あまりに身勝手な左近の言葉に、政宗は怒りで声を震わせる。

「やはり、駄目ですか」

「当たり前じゃ!貴様、よくも…」

「なら、無理にでも解って貰う他ありませんね」

「な…?止めろっ!!」

突如剣呑さを漂わせると、左近は政宗の下穿きを外し下着一枚にしてしまう。

腕は一纏めにして頭上に縛り、あっという間に政宗の動きを封じた。

「下郎が!!今すぐ首をはねて遣る!!」

「怖いですねぇ、鬼姫の血ですか?そういうお転婆も矯正しておきましょうか、万が一にも殿に危害が及ばぬようにね」

凄むように微笑うと、左近はその非情なる作業を開始した。


「この…っ!」

「動いちゃ駄目ですよ。殿が遊ぶ前に玩具を手入れして置かなくては。じゃ、先ずは油を差しましょうか」

「ひっ…やっ…ああっ!?」

南蛮渡来の香油を政宗の双丘に垂らすと、左近は惜しげもなくその秘所へと塗り込める。

「あっ…ああぁっ!止せ!!」

「ふむ…まだ固い蕾ですな。さて、中はどうでしょうね」

「ぅっ…止せ!止めろ…ああっっ!!」

必死の抵抗も虚しく、油の滑りを借りた左近の指は政宗の隘路と侵入した。

「思った通り指一本で精一杯か。ま、徐々に慣らしますから安心して下さい」

「う…うぅっ…」

あまりの情けなさに泣きそうになる政宗だが、直ぐに余計な感情にとらわれている隙はなくなった。

「あっ…やっ…!」

「良い子ですから素直にお口を開けてて下さいね?」

「…くっ…ぅ…!」

左近の太い指が、内部を探るように蠢く。

その動きは酷く手慣れていて、政宗自身さえ知らなかった弱点を突き止めるのに時間は掛からなかった。

「ひっ…!あああっ!?」

陰嚢の裏の微かな痼りを見つけると、左近は確かめるように指先で擦り上げる。

「ひぁっ…!?ああっ…ああぁっ…!!」

「此処ですね」

「…っあ!や…いやっ…!やああっ!!」

「ほら、可愛い声になってきた」

的確に指で圧迫しながら、左近は政宗の反応を窺う。

「ああ、もう全身が真っ赤だ。此処もこんなにひくひくして…何だか虐めたくなってきますよ」

早くも泣き叫ぶような艶声に、左近はぺろりと唇を舐める。

「うああっ…!!ひ…んっ…!やだっ…いやぁっ…!!」

「で…どうです政宗さん、殿の物になって頂けますか?」

「ぅっ…誰が…っ!!あっ…ひっ…ぁんっ…あああぁっ!!!」

「強情ですね。ではもう一本」

一旦指を抜いて中指と人差し指を交差させると、左近は再びそれを政宗の隘路に捩込んだ。

「うあああっ…!!いやっ…ああっ…あ゛ああっ!!」

前立腺に押し当てたまま追い詰めるように注挿され、政宗は狂ったように白い下肢を痙攣させる。

「ああっ!!ひっ…頼む…止めっ…厭じゃ…っ!!」

涙に濡れた瞳で縋る政宗に、左近は悠然と人の悪い笑みを浮かべる。

「あ、政宗さん。結論は急がなくても結構ですよ?俺は割と気が長い方ですからね」


かくして政宗は、半月にわたる拷問の末、遂に三成の所有物となった。

2013/05/28(Tue) 09:25  コメント(0)

◆愛辱(信利) 

利家は信長の茶坊主、拾阿弥を斬った。

拾阿弥は信長の寵愛を笠に着て、元寵童である利家の事は目の敵にしていた。

ある日耐え難い侮辱を受けた利家は、とうとう主信長の目の前で拾阿弥を斬り殺した。

利家に理があるように思われたが、この事件を機に、信長はあっさりと利家を追い出したのだった。

「それで良かったの?随分可愛がっていたのでしょう?」

信長の背に、濃姫が皮肉っぽく問い掛ける。

そんな濃姫に、しかし信長は不敵な笑みを浮かべた。

「ふ…時が来れば、いずれ戻ろう」

「やっぱり態となのね。意地の悪い人」

ここの所、信長が利家を冷たくあしらい、見せつけるようにその前で拾阿弥を寵愛していた事を、彼女は知っている。


「信長様…!どうかもう一度お役に立たせて下さい!」

「無価値、首は打ち捨てよと申した筈」

無断で桶狭間に参戦し、泥まみれになりながら首級を上げてきた利家に、信長は冷たく言い放つ。

更に次の戦いで上げた兜首で、利家は漸く再び信長に謁見する機会を得た。

「信長様…!」

案内された信長の私室で、利家は床に頭を擦りつけて懇願した。

「どうか、どうかもう一度俺を使って下さい…!どんな事でもしますから…!!」

平身低頭する利家を信長は無言で見下ろしていたが、やがておもむろに髪を掴むと、その顔を引き上げた。

「うっ…信長様…どうか…!」

必死に訴える利家の目に涙が浮かぶのを見て、信長の瞳に加虐の火が灯る。

「誠に何でもする、と申すか」

「はい…っ!」

微かに安堵する利家に、しかし信長は悪魔の様に微笑んだ。


「あっ…あっ…ああっ…ああーっ!!」

ならず者達に辱められる利家を、信長は愉しそうに見下ろす。

「ぁっ…厭です信長様…信長様っ…!!」

「利家、それ程に精を放って何が不服ぞ」

「ひっ…ううっ…!!」

「皆の者、もっと興ぜよ」

「や…っ!いやだっ…もう…や…ああっ!!」

ぐしゃぐしゃに泣き濡れた利家の足は、既に夥しい精液で汚れている。

「んあっ…は…あっ…ああっ…!」

「槍の又佐が良い様よな。その姿、まるで足蹴にされる野良犬よ」

「あっ…信長様ぁ…っ!」

四つん這い姿で犯されたままの利家の喉を、信長は動物にするように撫でて遣る。

「野良ならば、この信長にも牙を剥こうか」

信長の指が頬を伝って利家の唇をなぞると、利家の体がびくりと震える。

「犬よ、うぬを斯様な姿にした信長を恨むなら、この指に牙を立てるが良い」

「ん…ぐっ…!?」

利家の口を開かせると、信長は自らの指をその中に押し込んだ。

「ぁ…んっ…ふ…ぁ」

押し込められた指に戸惑う利家だったが、やがておずおずと舌を這わせ始める。

「誠、獣が如き所作よ」

嘲るように言われ、利家はあまりの恥ずかしさに消えてしまいそうになる。

しかしそれでも利家は、一度として信長の指に歯を立てようとはしなかった。

「ここまでされても、うぬに背く気概はなきか?」

信長の威圧するような声が、利家を辱める。

だが利家は羞恥に駆られながらも、懸命に信長の指に奉仕した。

「…うぬの性根、相分かった」

口から指が抜かれるのと同時に、利家を犯していたならず者達が、すっと席を外す。

「あ…」

急に体が冷えたような気がして、利家はその場にへたり込む。

しかしその体を、不意に温かいものが包み込んだ。

「信長様…?」

一瞬遅れて、利家は自分が信長の腕に抱かれていた事を知る。

「くくっ…愚か…なれど愛い奴よ」

「えっ…!?ひああっ…!!」

身構える隙もなく、強引に侵入され利家は細い悲鳴を上げる。

「今宵はうぬが死ぬるまで愛でて遣ろうぞ」

「あっ…殿っ…そんな、やっ…あああーっ!!!」

自らの腕の中で快楽に鳴く利家に、信長は満足気な笑みを洩らす。

前田家の家督を利家に継がせる手筈は既に整えた。

犬を縛る鎖を、より強固にする為に。

そんな事さえ知らぬまま、利家は信長に精魂尽きるまで何度も抱かれて果てた。

2013/05/26(Sun) 15:02  コメント(0)

◆対価(三政) 

「何、所領の安堵を願うだと?敗軍の将の分際で」

政宗の言葉に、三成は不快そうに眉を寄せる。

「領地は減らしても良い、だが何とか一族郎党が暮らしていけるだけの土地は残して欲しいのじゃ」

関ヶ原で大敗を喫し捕らえられた政宗は、現在三成の元で囲われていた。

「馬鹿が、そんな事を頼める立場だと思うのか」

「其処を曲げて頼む」

身を縮めて頭を下げる政宗に、三成は暫し思案する。

「気位の高いお前がな…そんなに家が大事か」

「無論」

「それに応じて俺に何の得がある?」

「それは…」

「全てを失ったお前に、払える対価があるというのか?残っているのはお前のその身一つだぞ」

「くっ…」

三成の言葉に、政宗は一瞬声を詰まらせる。

が、直ぐにいつもの意志の強い瞳に戻った。

「…残されたものが儂の身一つというなら、この身を貴様に捧げるまでじゃ」

「領土と引き換えに自らを差し出すか。だが己にそれだけの価値があるとでも?」

「…ある。貴様は以前より儂が欲しいと言っていたではないか」

「忘れていないか?俺の立場なら、元より貴様をどうにでも処する事が出来る。とても取引の成立する条件とは思えぬぞ。
…だが、そうだな。お前が少しは従順に励むというのなら、多少手心を加えて遣っても良い」

挑むような政宗の瞳を、三成は冷徹な笑みで見下ろした。


「くっ…んっ…んっ…ぅっ…!」

「声を噛むな、従順に奉仕するという約定をもう忘れたか?」

「あっ…はっ…あっ、あぅっ…!」

床に手を着いたまま犯される政宗に、三成は淡々と非情な下知を下す。

「もっと足を開け。それから、俺が犯りやすいように尻を突き出せ」

「うぅっ…」

屈辱に全身を染めながら、政宗は三成の下知に従う。

「うっ…ぁ…んっ…あっ…」

「いい様だな。独眼竜とまで呼ばれた男が、今や寺小姓上がりの下僕とは」

「貴…様…っあぁ…!!」

「お前は立場が分かっているのか?口の利き方に気をつけろ」

「あっ…止めっ!…ああっ…!!」

咎めるように前立腺を苛まれ、政宗はびくびくと体を震わせる。

「良いようだな。元々色子の素質があったのではないか?」

「っ…ふ…ぁっ…黙れっ…ひぁっ…!」

「その反抗はわざとか?ふ…よもやお前に被虐の気があるとはな」

「誰が…!」

「違うか?だがその生意気な態度は、煽っているも同じだ」

「なっ!?…ひぁっ…あぁっ…あぁっ…!」

乱暴に内部を擦り上げ、三成は政宗を意に反する快感で翻弄する。

「本当は苛めて欲しいのだろう?ほら、もっと腰を振れ。俺を満足させねば褒美は遣れぬぞ」

「うっ…ううーっ!!」

打擲するように腰を揺さぶられ、政宗は思わず膝をつきそうになる。

しかし、倒れそうになると、すかさず三成の檄が飛んだ。

「あっ…あぅ…あっ…ああっ!」

「休むな。餌が欲しければ奉仕するのだな…お前はもう俺の犬だ」

「んっ…や…厭っ…!」

「ふん…まだ逆らうか、覚えの悪い犬だ。良いだろう、ならば先ずは快楽から体に教え込んで遣る」

そう低く呟くと、三成は既に濡れそぼっている政宗自身に手をかける。

「ひっ…!?止め…厭…あっ…ゃ…いやっ…厭あぁーっ!!!」

前を弄ばれながらの激しい責めに、政宗は達すると同時に意識を失った。


「伊達家の所領、一部安堵…ですか」

「ああ」

「宜しいので?では政宗さんの事は」

「政宗は一生俺の囲われ者だ。伊達の当主には別の者を立てればいい。所領安堵の約束はしたが、政宗自身の処遇については特に指定はなかったからな」

「おやおや…それは政宗さんもお気の毒に」

不穏な策略を吐露しながら政宗の髪を撫でる三成に、左近は苦笑する。

そんな左近には気づかぬまま、三成は政宗の運命を決定づける書簡の作成に取り掛かるのだった。

2013/05/26(Sun) 10:29  コメント(0)

◆口実(兼政) 

「ふん。貴様など、どうせ景勝に尻を貸して成り上がったクチであろうが!」

酒の席の喧嘩で勢い余って口から出た言葉。

その言葉を、政宗は心の底から後悔していた。

「ぐっ…離せ!」

物置部屋で兼続に腕をねじ上げられ、政宗は苦痛に顔を歪める。

「全く躾のなってない犬だ」

「ふざけるな無礼者!貴様陪臣の分際で!」

「無礼はどちらだ?礼を弁えぬ者に身分など関係あるものか」

珍しく凄む兼続の迫力に、政宗は一瞬怯む。

が、ここで負けてはいられない。

「ぅ…馬鹿め!殴るなら殴るが良い!但し伊達家と争う構えがあるならな!!」

「ほう…それでは、体に傷はつけられぬな」

怯えを悟られぬよう噛みつけば、兼続はそう言って薄く笑った。


「っ…何をする!」

袴を解く兼続に、政宗は激しく抗議する。

それには構わずに兼続は政宗の袴を剥ぎ取ると、その腕を柱に縛りつけた。

「犬は縄で繋ぐに限るからな」

騒ぐ政宗を尻目に、兼続は涼しい顔で政宗の下半身を丸裸にする。

「き、貴様!まさかこのまま置き去りにする気か!?」

嫌な考えが政宗の頭を過ぎる。

が、兼続は直ぐにそんな政宗の思いを打ち消した。

「安心しろ、そんな事はしない。単にお前に奉仕して遣ろうと言うのだ」

「奉…仕?」

「お前は私を色小姓上がりだと思っているのだろう?ならば期待に応えてお前を快くして遣ろうではないか。…但し後ろもしっかり使って、な」

「な…に……ぁっ!」

言うなり、兼続は政宗自身をやんわりと掴んだ。

「あっ…ふぁっ…あぁっ…んっ…!」

兼続の手管は実に巧みで、政宗の体はあっという間に昇り詰める。

しかし、政宗が限界に達する寸前で、兼続はあっさりとその手を放した。

「ぁ…」

政宗が思わず頼りない声を出すと、兼続は意地悪く囁いた。

「どうした物足りなかったのか?それは悪かった。お前に早く、後ろの悦びを教えて遣ろうと思ってな」

途端に、政宗の顔色が変わる。

大名である政宗にとって、下位の者のように後ろを使われる事は屈辱以外の何でもない。

「や、止めろ!」

「怖がる事はない。お前がたっぷり濡らしてくれたからな、指ぐらいは容易に入るだろう」

「厭じゃ…!」

兼続の長い指の先端が、政宗の後孔に添えられる。

思いの外濡れそぼった感触のおぞましさに、政宗は身じろぐ。

「やっ…」

そんな政宗の膝を開かせると、兼続は精液で濡らされた指を浅く突き入れた。

「あ、うぅっ…!」

突然の異物感に、政宗は肌を粟立たせる。

ぐるぐると掻き回す指の感触が気持ちが悪い。

「狭いな…やはり初めてか」

月並みな感想を洩らす兼続の声も耳に入らない程、政宗は後ろを弄られる嫌悪感に震えていた。

「程良く解れたようだな」

兼続がそんな事を呟いた瞬間、政宗の体内に衝撃が走る。

「っあ…!?」

兼続の指がある一点を引っ掻くと、政宗の下肢がびくりと跳ね上がった。

「ここだな」

「ひ、あぁっ…!!」

続けざまに其処をつつかれると、悲鳴のような甘い声が洩れる。

「あっ…ぁんっ…!」

信じられない自分の声に戸惑う暇もなく、政宗は兼続の指に踊らされる。

「は…ぁ…止めっ…!」

「どうした政宗?」

びくびくと揺れる政宗の太腿に赤い痣を刻みながら、兼続は政宗に問い掛ける。

が、到底まともな返答など出来ない。

「あっ…あうっ…やっ…!」

「やれやれ、お前の方が余程後ろの素質があるのではないか?」

「ああああぁっ…!」

次第に追い詰められてゆく政宗を、兼続は面白そうに弄ぶ。

「厭…いやっ…やぁっ…!」

「もう限界のようだな」

「ひっ…あんっ…ぁんっ…んあっ…あぁーっ!!」

未知の快楽に堕とされた政宗は、兼続の激しい責めに耐え切れず気を失った。

未だ細かな痙攣を繰り返す桜色の肌を愛撫しながら、兼続はそっとほくそ笑む。

手に入れたこの玩具で、まだまだ当分は愉しめそうだ、と。

2013/05/24(Fri) 10:31  コメント(0)

◆愛反する(清三) 

「う……」

三成の姿を見つけた時、そのあまりの酷さに清正は思わず言葉を失った。

着物は所々破れ、唇の端が切れている。

袴の剥ぎ取られた白い足には、誰のものとも分からない精液が大量に付着していた。

「三成、しっかりしろ!」

清正が抱き起こすと、三成は気怠そうに細く目を開いた。

「きよ…まさ…?……離せ!!」

暫く意識が混濁していたが、やがて気がついたように三成は清正の手を跳ね除けた。

「痛っ!助けて遣ったのにそれはないだろ!」

抗議する清正を、しかし三成は険しい瞳で睨みつけた。

「頼んでなどいない!とっとと何処かへ行け!!」

「その格好で強がるな」

「うるさい、触るな!!」

手当てをしようとすると暴れる三成に、清正は小さく舌打ちする。

「…そんな態度だから同僚達にヤられたりするんだ!」

秀吉の支配が行き渡っている領内で、三成に手出し出来る者がいるとすれば、それは同じ秀吉の側近しかいない。

三成の出世を妬む者達が徒党を組んで襲ったものだと、清正は確信していた。

清正の一喝に三成は少し怯んだが、直ぐに生来の横柄さを取り戻した。

「別に…暇だったから遊んで遣っただけだ」

髪を掻き上げながらそう言うと、三成は清正を挑発するように足を広げた。

「なんなら清正…お前とも遊んで遣ろうか?」

嘲るような瞳で、三成は清正を見上げた。

人を寄せつけない鋭さを持つ瞳…しかしそれは、周囲の悪意や好色の目から自らを守る手段である事を清正は知っている。

「どうした清正、何を黙っている」

太腿につけられた、赤い跡が生々しい。

だが、自ら晒しているその体は、小刻みに震えていた。

「意地を張るのも大概にしろよ。それに散々まわされた後の奴を抱く気にはなれない」

三成を落ち着かせる為、清正は敢えて突き放すように言う。

それは三成を気遣っての言葉だったが、途端に切れ長の瞳に赤々と火が灯った。

「同情のつもりか…?貴様如きに同情される謂われはない。どうせ貴様も本心は、奴らと変わらぬのだろうが!」

その言葉に、清正の血が沸騰した。

頭では、それが三成の強がりだと分かっている。

しかし、差し出した手を全て拒絶しようとするその態度に、清正は我慢がならなかった。

「まだ…痛い目に遭い足りないらしいな」

気がつけば、清正は三成を地面に引き倒していた。


「あっ…あっ…あぁっ!」

半ば強引に挿入すると、清正は抉るように三成の体内を突き回す。

「ううーっ!」

他人の体液で慣らされた体は清正の大きさにもあっさりと順応し、それが清正を酷く苛立たせた。

「何人にまわされてんだよお前は」

「ひっ…あ…あぁっ!」

目の前にある三成の白い胸や首にも、無数の赤痣が刻まれている。

その痣に噛みつくように、清正はそれを何度も上書きしていった。

「あっ…くっ…ぅ…はぁっ…!」

頼りなく痙攣する華奢な体に他の男も触れたのかと思うと、清正の心は燃え上がる。

幾度も幾度も三成をなぶり、その姿に欲情しながら嫉妬する。

相反する二つの心が、いつしか清正を一頭の獣に変えた。

「あっ…ああっ…あぅっ…!」

「ほら、もっと鳴けよ。本当は滅茶苦茶にされて泣きたいんだろ?」

「ああっ…!止めっ…もう…!清正っ…!」

途中投げかけられた制止の声も、清正の耳には届かない。

「あっ…厭だ…厭だ…ひっ……ぃああああーっ!!」

清正が漸く我に返ったのは、三成の中で三度目の精を放った頃だった。

「気を失ったか」

ぐったりと倒れ伏す三成に、清正は微かに安堵の表情を浮かべる。

「馬鹿な奴…」

三成の濡れた頬をそっと拭うと、清正は低く独り語散た。

「俺を奴らと同じだと言ったな?だが、俺は違う…これからお前が泣きたい時は、俺がこうして泣かせて遣るよ」

その時口元に灯った笑みに、清正は気づいていたのだろうか。

呟いた本音は欲望か愛情か。

歪みつつある男の傍らで、三成はただ静かに寝息を立てていた。

2013/05/22(Wed) 11:28  コメント(0)

◆食わず嫌い(孫政) 

「うっ…ぐっ…ううーっ!!」

狂ったように暴れる隻眼の青年。

それを組み敷く男からは、仄かに火薬の臭いがした。

「いいぜ、政宗…」

白い首筋に舌を這わせながら、孫市は尚も残酷な行為を続ける。

「あぅ…あっ…ああっ…!」

「ちゃんと慣らせば男も使えるもんだな」

熱い息を吐きながら独り語散る暴漢に、政宗は先程まで親友だった男の事を思った。


「俺に男は抱けねぇな。だって女の方が断然良いだろ!柔らかくて、胸もあるしな」

「ふん、じゃが手近に女子のない戦場ではどうする?それに案外具合も悪くはないものじゃぞ、貴様のは単なる食わず嫌いではないのか?」

「へぇ?」

「男でも中には女子より美しい者もおる。しようと思えば十分出来るわ」

「其処まで言われると、ちょっと興味をそそられるね…」

ただの退屈しのぎにと、二人でそんな会話をしていた筈だった。

それが気がつくと、政宗は孫市に犯されていた。


「っ…ぁ…離せ!」

「何だよ政宗、俺らはダチだろ?」

「くっ…馬鹿め!貴様とはもう金輪際つき合わぬ!分かったらさっさと失せよ…!」

「冷てぇなぁ…ちょうど良い具合になってきたってのに」

「っ…うあっ…!」

「男でも掘られると感じるんだな、それどころか…凄ぇ締めつけだぜ?」

耳朶を甘噛みするように囁かれ、政宗は嫌悪に顔を背ける。

「なあ政宗、もっと顔見せろって。しかし、お前って本当に綺麗な顔してるよな」

「っ、黙れ…!」

「いやマジな話、そこらの女なんか比べ物にならないぐらい肌も白いしきめ細かいぜ。こんなんなら、女の代わりにしようって気持ちも分からないではないな」

「う…る…さい…下衆が…っ!」

「ったく、相変わらずじゃじゃ馬だな」

「っああぁ…!!」

突如胸の飾りを摘まれて、政宗の喉から悲鳴が漏れる。

「はっ、…また締まったぜ」

気持ち良さそうな孫市を憎らしく思いながら、しかし政宗の体で与えられる快楽に順応しつつあった。

「っ…はぁ…はぁ…はぁ…っあ…!貴様、殺して遣る…!!」

「そう言うなって。どうせならお前も気持ち良いほうがいいだろ?ほら、前も触って遣るよ」

「な…!ぁっ…止せ…!ひっ!?」

「…きつっ…凄ぇな、最高だぜ。この辺突く度、中の肉がひくひく絡みつきやがる」

「うっ…く…!」

あまりに卑猥な言葉に、政宗は耳を塞ぎたい気持ちになる。

しかし孫市は更に羞恥を煽るように、男が生来弱点としている前立腺を集中的に苛んだ。

「あ…ぁっ…はっ…ぁ…ん…っ!」

「良い声で鳴くんだな。可愛いぜ政宗…ご褒美にお前も一緒に達かせて遣るよ」

「…やっ…止めろ!!」

喘ぐ政宗に気を良くした孫市は、政宗自身を愛撫しながら腰を一気に旋回させる。

「ぃ…いや…!厭じゃ…いやっ…!」

限界が近づき、切羽詰まった声で政宗は行為の制止を訴える。

「無理すんなよ、今にも弾けそうだぜ」

「ぁっ…は…!あぅ…止めろ…っ!」

「強情だな。だが、其処がそそるぜ…?ほら達きな、全部ぶちまけて女みたいに達っちまえよ…!」

「ひっ!?や…ぃやっ!厭じゃ…っあ…あっ…ぃっ…あああぁーー!!!」

激しい責めに耐え切れず政宗が自らの腹を汚すと同時に、孫市も政宗の中に熱い飛沫を叩きつけた。


「うっ…ううっ…孫市貴様…絶対に赦さぬ…!」

消耗し切った体を横たえたまま、政宗は男に呪いの言葉を吐く。

しかし、当の男は今までのように何食わぬ顔で笑った。

「赦さなくてもいいさ。だが…これからもよろしく頼むぜ、政宗?」

「な…!?」

硝煙の香る指に抱き寄せられ、政宗の肌は粟立つ。

「お前を俺の『女』にして遣るよ」

銃口を向けるようにそう告げる孫市は、確実に獲物を仕留める狙撃手の瞳をしていた。

2013/05/18(Sat) 19:39  コメント(0)

◆藤ノ木倒し(小十政) 

「うぅ…っ…厭じゃ…誰かっ…誰か…っ!」

僅かにしか光の差さない牢の中、青年の悲鳴だけが虚しく響く。

申し訳程度に乱れ衣を身につけて悩乱する青年の肌は、抜けるように白い。

その手首には布が巻かれ、体の動きを制限されている。

「政宗様、遅くなって申し訳ございません」

汗にまみれた体を横たえる青年の背後から、不意に涼しげな男の声が聞こえた。

その声に青年は一瞬身を固くするが、やがて縋るような目を男に向けた。

「小十郎…」

「少々軍議が長引きまして。ああ、もうこのようなお話…貴方には無縁でしたね」

「小十郎…何故じゃ…?何故このような…!」

「貴方様を、お救いする為です」

かつての忠臣の姿をした鬼は、ぞっとする程優しい瞳で政宗に微笑んだ。


十六代当主政宗の采配によって、かつてない程伊達家は栄えた。

その平穏が何時までも続くと誰もが思った。

が…ある日それは破られた。

主要家臣団を取り込んだ政宗の右腕、片倉小十郎が突如反旗を翻したのだ。

念入りな根回しが功を奏し、無血のまま呆気なく謀叛は成功した。

小十郎は伊達の一族衆から代理を選び、まだ若い政宗を隠居の形で当主から引きずり下ろしたのだ。

「何故、貴様が儂を…今までの忠義は、自らの権勢を高める為であったのか…?」

唇を戦慄かせながら政宗が問えば、小十郎は可笑しそうに肩を揺らした。

「権勢?私が、そんなものの為に?」

「な、何が可笑しい!?」

「そうですね…きっと貴方には理解出来ないでしょう。いえ、分からなくても良いのです。さあ、汗もかかれた事でしょう、お召し替えをしましょうね?」

「いっ、厭じゃ!離せ!!」

「それとこちらにも、またお薬を塗り直しませんとね」

「やっ…触るでない!!」

帯を後ろから掴まれ政宗は暴れる。

が、あっさりと膝を入れられて、足を開かされてしまう。

「おや、まるで粗相でもしたみたいですね。膝の方まで濡れていますよ?」

小十郎は、政宗の下腹に手を入れると、その湿り具合を確かめた。

「うっ…うーっ!!」

立ち上がった部位を緩やかに触られ、政宗は体を震わせる。

「此方の方は如何です?」

それに構わず、小十郎は政宗の小振りな双丘に手を掛けると、内部に埋め込まれた楔を一気に引き抜いた。

「っ止めよ、痴れ者…!!うあ゛…ああぁーっ!!」

碁石程ある大きさの水晶の数珠が取り出されると、政宗は太腿を痙攣させたまま床に倒れ込んだ。

「腰が立たなくなる程お気に召して頂けているようで、何よりです」

「うっ……ぁ…ぅ…」

「ご安心下さい、直ぐに戻して差し上げますから」

「…ぅ…や…っ」

疲労で動く事の出来ない政宗は、慣れた手つきで薬壺を傾ける小十郎をただ絶望の思いで見上げる。

「では、力を抜いて下さいね」

「ひっ…厭あああぁ…!」

たっぷりと媚薬を塗り込んだ数珠をねじ込まれ、政宗は再び悦楽の闇に堕とされる。

「…ひっく…っ…小十郎…何故じゃ…何故儂をここまで貶める…!」

自制心を失い子供のように泣き出す政宗に、小十郎は愛しくて堪らない様子で口づけを落とす。

「…泣かないで下さい、可愛い私の藤次郎…。こうしていればもう、貴方は何も怖がる必要はないのですから」

「こ…じゅうろ…」

「貴方はもう王ではない。優しく繊細な貴方が手を汚し、罪に怯えて生きていく必要はないのですよ…」

政宗の声が届かぬかのように、小十郎は滔々と語りながら華奢な体を愛撫する。

「王とは、民の為の人柱…全ての民の奴隷です。同じ奴隷なら、こうして自由も思考も支配され、奪われて生きる方がずっと自由だ」

「っ何を……ぁっ!?厭…!」

「さあ藤次郎…乱れて下さい、もう何も考えられないぐらい」

「う…ぁ…!あああ゛ーーっ!!!?」

突如組み伏せられ、数珠の入ったままの後ろに小十郎が侵入する。

散々に蹂躙され鳴き疲れた政宗は、輝かしい王座と引き換えに隷属という自由を手に入れたのだった。

2013/05/17(Fri) 20:24  コメント(0)

◆雌伏(三政) 

「くっ…無礼者!!猿の下僕如きが赦さぬぞ!!」

「威勢がいいな」

縄をうたれながらも毅然と頭を上げている政宗に、三成は冷ややかな目線を送る。

「この儂を罪人扱いするとは、どうなるか分かっていような!…ぐっ!!」

憎々しげに噛みついてくる政宗の髪を掴んで、三成はその顔を畳に押しつけた。

「貴様こそ立場が分かっているのか?一揆扇動の件、秀吉様は不問にすると仰ったが、俺は赦さぬ。伊達政宗、貴様は危険だ」

「ふん…!赦さぬならどうすると言うのじゃ!!伊達家と戦をするとでも言うのか?」

「馬鹿が、」

政宗の髪から手を放すと、三成はうつ伏せになっている政宗の着物を、無造作に捲り上げた。

「なっ…!?」

思わぬ暴挙に、政宗は驚愕の声を上げる。

「何をする!」

「貴様如き小物にわざわざ軍を動かすか。生意気な餓鬼を黙らせるには、こういう方法もあるのだよ」

そう言うと、三成は馬乗りになって政宗の動きを封じる。

「貴様…うぐっ…!」

「おっと、」

政宗が三成の腕に噛みつこうとした瞬間、突如後ろから猿轡を噛まされた。

「殿、お気をつけて。子犬の歯型がつく所ですよ」

「くっ…」

後ろでにやにやと笑う頬に疵のある男に、政宗はぎりりと歯噛みした。

「政宗公、どうかお静かに」

爽やかに笑うと、左近は慣れた手つきで政宗の足を開かせ、三成に小さな瓶を差し出した。

「左近、これは何だ?」

「さる筋から手に入れまして。犬の躾には効果的かと」

三成が蓋を開けると、何やらとろりとした液体が、並々と入れられている。

「なる程…面白そうだ」

興味深そうに観察した後、三成はたっぷりと指を液体に浸し、露わにされた政宗の双丘にあてがった。

「んっ…んーっ!!」

不穏な気配を察した政宗は必死に足を閉じようとするが、左近に軽々と押さえ込まれる。

力を込めて侵入を防ぐが、液体の滑りを借りた三成の指に、固かった蕾は強引にこじ開けられてしまう。

「くっ…んっ…んんーっ!!」

「狭いな…もしかして初めてか?」

「それはそうでしょう。政宗公は歴とした高貴なお方。男に後ろを犯される機会なんて、そうそうありませんよ。元寺小姓の誰かさんとは違って、ね」

「ふん…。ならば折角だ、良い思いもさせて遣ろう」

「んっ…んんっ…!!」

陰嚢の裏を探るように指を動かされ、政宗の太腿が揺れる。

「直ぐに良くなる。蛇の道は蛇という訳だ。此処を責められれば、もう逆らえまい」

「っむーーっ!!!」

ぬるついた指で前立腺を引っかかれた瞬間、政宗の腰が弾かれたように跳ね上がった。

続いてぐりぐりとなぶられれば、耐え難い衝動に政宗は身悶える。

「これはこれは…良い眺めですね」

「少し動かしただけで浅ましく食いついてくるぞ。貴様、淫乱の素質があるのではないか?」

「うっ…ぐぅ…!」

血が沸騰するような屈辱に、政宗は真っ赤になって三成を睨みつける。

が、三成は冷徹な目で、そんな政宗を見下した。

「分際を弁えろと言っている」

「んうっ…!うーーっ!!」

苛立たし気に指を引き抜くと、三成は乱暴に政宗の内部に押し入った。

一瞬意識を飛ばした政宗だったが、追い立てるような注挿に、すぐ正気に戻される。

「んっ…んっ…ぅっ…ううっ!!」

「ふん、良さそうだな。貴様には、無様に男に鳴かされるその姿が似合いだ」

「くっ…うぅーっ!!」

翻弄される快楽の中で政宗は抵抗を試みるが、最早それも声にならない。

「っぁ…うっ…っく…ふ…っ…」

「政宗、お前に服従を覚えさせて遣る。馬鹿にも分かるように…何度でもな」

政宗の耳元に唇を寄せ、三成は鼓膜を擽るように低く囁く。

「やれやれ…殿、遊び過ぎて壊さないで下さいよ?」

「んぅっ…うっ…ううーっ!!」

三成に弄ばれ堕ちてゆく意識の中で、政宗は笑いを含んだ左近の声を聴いた。

2013/05/15(Wed) 16:55  コメント(0)

◆食物連鎖(動物パロ幸政) 

「っ…しまった!」

一瞬の油断だった。

好物の葛の新芽に夢中になり、捕食者の気配に気づくのが遅れた。

そして今、政宗は赤い狼の足に踏みつけられている。

「これは美味しそうな兎ですね、久々のご馳走だ」

前足で押さえられ、身動き出来ない政宗の上で狼はそう一人語散る。

捕らわれた政宗にしたら、まるで生きた心地がしない。

「肌が白くて柔らかそうだ。それに…おや?貴方、白子ですか」

政宗の赤い瞳を見て、狼は軽く目を見開く。

自然界では生まれつき色素の欠乏している白子は、敵に捕捉されやすい為生存率は極めて低い。

「白子の成体とは珍しい。今日まで無事とは、貴方余程運がお強いのですね」

「馬鹿め!運などではない、儂自身が強い故じゃ!」

狼が驚いたように言うと、小さな兎は組み敷かれたままふんぞり返るように言い放った。

「面白い方だ。しかし、今のこの状況はどうです?私にはあっさり捕まってしまいましたが」

「うっ…」

狼の正論に、政宗は悔しそうに歯噛みする。

「確かに…今回ばかりは儂の負けじゃ。この上は、さっさと儂を喰らうが良い!」

「随分と強気な獲物も居たものだ…少し、気が変わりました。私は幸村、特別に貴方を我が巣穴へ御招待しますよ」

「何…わっ!?」

後ろから首をくわえられ、政宗はそのまま幸村の巣穴へと連れて行かれた。


「政宗殿…でしたか?すみません、先程はお食事の邪魔をしてしまいましたね。どうぞ召し上がって下さい」

そう言って、幸村は政宗の前に蒲公英の花を差し出した。

「何のつもりじゃ!」

明らかに警戒する政宗に、幸村は笑った。

「そう怖がらないで下さい、今すぐ取って食べたりはしませんから。ああ…しかし、美味そうだ」

政宗の首筋に鼻を寄せて、幸村はひくひくと匂いを嗅ぐ。

「っ…なれば早よう喰らえ!それともなぶり殺す気か?」

幸村のその行動に、政宗は青ざめる。

「そう慌てないで下さい。貴方は私にとって、初めてのお客様なのです」

「客?貴様にすれば儂は餌であろう!」

「そうなのですが…何というかその。もう少しお話がしたくて」

「は?」

「貴方を食べてしまうのは簡単なのですが…それをしてしまうのは、惜しい気がするのです」

「意味が分からぬ…喰わぬのなら、帰るぞ」

「それはいけません、貴方は私の獲物ですから」

「ではどうせよと言うのじゃ!」

「私は政宗殿を食べたい。でも…そうしたら貴方は居なくなってしまう」

「当たり前じゃ!!」

不毛な遣り取りに、次第に政宗は苛立って来る。

「そうだ、指一本だけなら…」

「断るっ!痛いのは嫌いじゃ!!どうせなら一思いに殺せ!!」

「それは、嫌です」

政宗がこの押し問答に疲れ果てた頃、幸村は再び政宗を床に押し倒した。

「…何じゃ、やっぱり喰らうのか」

「はい、やはり少しだけ味見をさせて下さい」

「味…見?む、無理じゃ!!指を一本一本喰われてゆくなど、儂は御免じゃぞ!!」

「ふふ、大丈夫ですよ…痛いことはしませんから」

「え…ふあっ!?」

不意に耳を舐められて、政宗は飛び上がる。

「な、何を!」

「可愛らしいですね、やはり兎は耳が弱点ですか?」

「うるさい、触るな!」

「仕方ありませんね…では、此方から」

「ちょ……あ…んっ!!」

胸の飾りを悪戯された政宗が体を波打たせると、幸村は愉しそうに笑った。

「当分は、こうして少しずつ頂きたいと思います。その方が私も、退屈せずに済みそうですからね」

「や…やっぱり一思いに喰ってくれ!!」

「駄目です。…今は、まだ」

「ひ…ぁっ…!」

「政宗殿…いつか私は、本能に負けて貴方を喰らうでしょう。でも…きっとその時、貴方の血肉は魂が溶ける程に美味なのでしょうね」

声を潜めると、幸村は白い下腹に唇を落とす。


孤独な狼は、兎に恋をした。

しかし狼に獣の本能がある限り、この恋は悲しみしか生まない。

ならばいっそ、骨まで喰らうまで。

2013/05/11(Sat) 19:57  コメント(0)

◆虎穴に入る(慶利) 

「見つけたぜ慶次…っ!!」

慶次の逗留先を突き止めて、利家はその船に乗り込んだ。

目的の屋形船に乗りつけると、そこには遊女達と絡み合う慶次の姿があった。

「何だい叔父御、野暮だねぇ」

「黙りやがれ!今日という今日は逃がさねぇ!!」

「やれやれ…悪いね皆。これから叔父御と二人で大人の話だ」

観念したというように、慶次は遊女と船頭を降ろすと、再び船を川へと戻した。

「珍しいな慶次、お前が俺と差し向かいで話そうなんて」

二人になった船の中で、慶次と利家は膝を突き合わせて座った。

「よーし慶次、覚悟はいいか?」

「待ちなよ叔父御。折角こうして訪ねてくれたんだ、一つ俺と勝負しないかい?もし叔父御が勝てば俺は大人しく説教される、俺が勝てば…」

「上等だ、受けてやらぁ!」

「おい、叔父御。最後まで聞かなくて良いのかい?」

「俺は万に一つも負ける気はねーからな!」

「ふ…傾いてるねぇ、それでこそ叔父御だ!」


しかし、勝負は呆気なく着いた。

「…慶次、てめぇ…底ナシか…?」

空になった酒瓶が、床じゅうに転がる。

利家は堪らず降参したが、慶次の方はけろりとしていた。

「俺の勝ちだな」

「くっ…」

「さあ叔父御、言うこと聞いて貰おうか」

「まだ…だ」

「ん?」

「今度は相撲で勝負だ!!」

「おい叔父御…いや、いいぜ」

「おし、来い!」

「応よ!!」

力んだつもりだったが、足下の覚束ない利家はあっさりと慶次に倒されてしまった。

「浴びせ倒しで勝負あり、だな」

「くそっ…酒が入ってなきゃ…」

「はっは、さあてこれで決まりだ!貰うもん貰うぜ?」

「ああ、好きにしろ!」

「なら遠慮なく」

「……っ!?」

一瞬、ぎらりと慶次の瞳が光った。

その眼光に怯んでいると、上に乗り上げたままの慶次の腕が、いきなり利家の懐に押し入って来た。

「おっ、おい!金なら今出すから慌てんな!!」

むず痒い感覚に、急いで財布を取り出そうとする利家だが、その所作を慶次に阻まれる。

「金は要らねぇよ、だが叔父御…あんたを貰うぜ」

「な…!?」

「賭けに負けたのはあんただ」

「あっ…止めねーか!!」

「馬鹿だねぇ叔父御。虎の巣穴まで来ておいて、ただで帰れるとでも思ったかい?」

「っ…の野郎…どこ触ってやがる!?」

「叔父御のイイ所さ」

低く囁くと、慶次は日焼けした利家の首を、獣のように舐め上げる。

「ひっ…」

生暖かい感触に利家が顔を背けると、慶次は首筋からなだらかな丘陵を辿って胸の果実を口に含んだ。

「ふあぁっ…!?」

思いがけず甘い声が漏れ、利家は恥ずかしさに耳朶を紅く染める。

気を良くした慶次が利家の下着に手を入れると、其処は既にしっとりと熱を持っていた。

「っ…は…ぅああっ…離せ!!」

「濡れてるぜ…叔父御」

握り込むように性急な愛撫を施され、利家は引きつった悲鳴を上げる。

「ああっ…ああっ…ひぁっ…!!」

胸を啄まれながら男の弱点を刺激され、利家の体は溶けそうになる。

「ううっ…」

利家が高まった頃合いを見計らって、慶次は絡めていた指を外し、滴る愛液で潤されつつある蕾に自身を押し当てた。

「け、慶次…止めろ…っ…うあ゛あああーっ!!」

暴力的な大きさで後ろを引き裂かれる痛みに、利家は失神寸前になる。

が、慶次の方は手慣れたもので、すかさず利家自身に愛撫を加えると前立腺を的確に攻撃した。

「ひ…ああっ!!」

狭く収縮する内部に、慶次は満足そうに息を吐く。

しかし、その表情は直ぐに険しいものに変わった。

「感度も具合も最高だぜ叔父御?…だが気に入らないねぇ。あんたどこまで魔王に飼い慣らされたんだい?でもこれからはもう、この穴は俺専用だ」

「ぅっ…ぐっ…止め…慶次!!あっ…あああーーっ!!」

掻き回されて崩壊してゆく理性の中で、利家は狂った獣の猛る声を聞いた。

2013/05/11(Sat) 19:11  コメント(0)

次の10件→
←前の10件
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ